阪神 カツノリ氏&藤井康雄氏に入閣要請 貧打解消&野村DNA注入へ

 日本一への夢が絶たれた阪神が来季の巻き返しへ向けて、組閣人事に着手していることが7日、分かった。矢野燿大監督(52)の来季続投は既定路線となっている中で、新たにオリックスなどでコーチを歴任した藤井康雄氏(59)、楽天から退団することが決まっている野村克則育成捕手コーチ(48)に入閣を要請。藤井氏は阪神では異例となる1、2軍巡回コーチとして招へいするプランが浮上している。

 まさかのCSファーストS2連敗。シーズンで14年ぶりに勝ち越した巨人に下克上を許し、矢野阪神の2021年が終わった。試合後に矢野監督がチームの、そして自身のさらなる成長を誓った来季へ向け、球団は組閣作業に着手している。

 2日には一気に5人の2軍コーチが退団することを発表。新たな“血”を招き入れる必要がある状況で、白羽の矢を立てたのがコーチ経験も豊富な2人の指導者だった。

 藤井氏は阪急、オリックスでの現役生活と17年の指導者、スカウトなど合わせ33年もプロ野球界に身を置いてきた。現役時代には長らく打線の主軸を務め“ミスターブルーウェーブ”の異名を取ったことで知られる。

 02年の現役引退後は翌年からオリックスのコーチを計7年務め、T-岡田、吉田正らを育てた。さらに1軍打撃コーチなどを7年間務めたソフトバンクでは、柳田らを一流選手へ導いた実績がある。

 阪神では異例となる打撃部門での「1、2軍巡回コーチ」のポストを用意し、要請しているもよう。現役時代に歴代3位タイとなる通算満塁本塁打14本を放ち、シーズン代打満塁本塁打3本のプロ野球記録を樹立。勝負強さと長年のコーチ実績は今季、不振が長引いた佐藤輝や大山、将来の中軸候補である井上らにとって成長の手助けとなりそうだ。

 一方、楽天の野村育成捕手コーチは、今季限りで退団することが決まっている。現役時代にヤクルト、阪神、巨人、楽天を渡り歩き、引退後も巨人など複数球団で15年間、途切れることなくコーチとして実績を積んできた。

 昨年2月に他界した故・野村克也氏を父に持ち、熱心な指導と人柄の良さは高く評価されている。入閣が実現すれば、金銭トレードで巨人に移籍した03年以来、19年ぶりの阪神復帰となる。

 悔しさとともに一定の手応えも残った2021年シーズン。逆襲を誓う矢野政権4年目へ向けて、今後も組閣作業を進めていく。

 ◆藤井 康雄(ふじい・やすお)1962年7月7日生まれ、59歳。広島県出身。現役時代は右投げ左打ちの外野手・一塁手。泉州からプリンスホテルを経て、86年度ドラフト4位で阪急(現オリックス)入団。ベストナイン2回(89・93年)。通算成績は1641試合1207安打282本塁打861打点、打率.252。2002年現役引退後はオリックス、ソフトバンクで打撃コーチを務めた。

 ◆野村 克則(のむら・かつのり)1973年7月23日生まれ、48歳。東京都出身。現役時代は右投げ右打ちの捕手。堀越から明大を経て、95年度ドラフト3位でヤクルト入団。現役時代の登録名はカツノリ(2004年のみ本名)。00年に阪神移籍後、巨人、楽天でプレー。通算成績は222試合66安打4本塁打17打点、打率.185。06年現役引退後は楽天、巨人、ヤクルトでバッテリーコーチなどを歴任。今季は楽天育成捕手コーチ。父は故野村克也氏。

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