佐藤輝復活の24号 阪神逆転Vの使者目覚めた マルチで今季100安打も到達

2回、先制の24号3ランを放ち、歓喜の表情で生還する佐藤輝(撮影・飯室逸平)
2回、先制の24号3ランを放ちZポーズを決める佐藤輝(撮影・飯室逸平)
2回、右翼スタンドへ先制3ランを放つ佐藤輝=マツダスタジアム(撮影・立川洋一郎)
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 「広島2-7阪神」(24日、マツダスタジアム)

 望みをつなぐ復活V弾や!阪神の佐藤輝明内野手(22)が二回に右翼席上段へ特大の先制24号3ラン。逆転優勝へ負けられない試合で2カ月ぶりのアーチを放ち、4連勝へ導いた。だが、ヤクルトも勝って優勝マジック「2」とし、“王手”をかけられた。奇跡を起こすためにも、今季最終戦の26日・中日戦(甲子園)は勝つしかない。

 待ちに待った怪物の目覚めだ。絶対に負けられない一戦。優勝争いの最終局面で価値あるV弾を放った。「すごく久しぶりだったので、すごく気持ち良かったです。打った瞬間、行くと思いました」。奇跡の大逆転優勝へ-。佐藤輝が重い扉をこじ開けた。

 マウンド上には18日に弾丸の右中間二塁打を見舞った九里。最多勝を狙う右腕に対して「攻め方も分かってきているので」と自信があった。二回1死一、三塁。4球連続の変化球でカウント1-2となった後、内角高め直球を狙いすましたかのように振り抜いた。

 右翼・鈴木誠は守備位置から一歩も動かない。打球はどよめきの中、大きな放物線を描いて右翼席の上段に突き刺さった。8月19日・DeNA戦(東京ド)以来、52試合92打席ぶりの24号3ラン。試合後は緊張の面持ちでマイクを持ち、「ヒーローになれることほどうれしいことはないなと思います」と余韻をかみしめた。

 前半戦は躍進の原動力だったが、後半戦は59打席連続無安打と苦しみ、2軍降格も経験した。そんな時、奮い立たせてくれたのが同期の伊藤将と中野。2人が優勝争いで奮闘する姿に刺激を受けた。

 4-1の八回無死一塁は右前打で好機を拡大し、6個目の盗塁も記録。坂本のダメ押し2点三塁打を呼び込んだ。先発の伊藤将が目標に掲げていた10勝目を後押しし、「勝ちをつけることができたので良かった」と自分のことのように喜んだ。

 また、シーズン100安打も達成。すでに中野も記録しており、球団新人2人の到達は、1948年・後藤次男、別当薫以来、73年ぶり2度目となった。

 矢野監督は「明るい材料の一つ」と背番号8の復活弾に目を細めた。不振の大山は先発を外れ、4番・マルテも低空飛行。さらに近本も手負いで欠場が続き、攻撃陣に不安要素が多い今、怪物の再進撃は大きな光となる。

 泣いても笑っても残り1試合。阪神は今季最終戦の26日・中日戦に勝ち、ヤクルトが26日・DeNA戦、29日・広島戦に連敗すれば、16年ぶりのリーグ優勝が決まる。佐藤輝は「皆さんに良い姿を、良い結果を届けられるように頑張ります」と虎党に約束。奇跡を信じ、最後の最後まで戦い抜く。

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