阪神・大山 V18号2ラン まさに4番の一発“太陽と埃の中で”4戦ぶり

 「阪神5-2中日」(1日、甲子園球場)

 追い駆け~て、追い駆け~て~も~。阪神・大山が“チャゲアス”のメロディーに乗って快音を奏でた。9月26日・巨人戦以来、4試合ぶりの一発は、笠原攻略の突破口を開く先制の18号2ラン。主砲のバットがチームの連敗を止めた。

 「(伊藤)将司が頑張っていましたし、先制点が欲しかったので」。両軍無得点で迎えた四回。先頭のマルテがチーム初安打となる左前打で出塁すると、聖地の空気が変わった。続く背番号3が体重を軸足に残しながら、外寄りの直球をフルスイング。高々と舞い上がった打球は中堅左のスタンドに着弾した。

 この日の試合では、選手それぞれが登場曲を懐メロに変更。主将はいつも奇数打席でDo As Infinityの「陽のあたる坂道」、偶数打席でWANIMAの「GONG」を使用しているが、全ての打席でCHAGE and ASKAの「太陽と埃の中で」が本拠地に響いた。

 「いいホームランになったと思います」という4番の一撃が流れを呼び込み、五回にマルテがダメ押し3ラン。通算5度目の“OMアベック弾”で勝利を決めた。だが、矢野監督は「こんなので満足しているようなバッターじゃない」と大山を手放しに褒めない。

 9月は月間打率・313と上昇曲線を描いた一方、月間の得点圏打率は・231。勝負どころで凡退する場面が目立ち、何度も何度も唇をかみ締めた。「常に勝ちたいと思っています」。もちろん、満足などしていない。

 大山が本塁打を打てば13勝3敗で6連勝。「とにかくチームが勝てるように、チームの勝利に貢献できるように、全力でプレーしていきたいと思います」。現役引退を決断した中田、岩田稔、桑原、俊介の思いも胸に、必ず逆転Vを成し遂げる。

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