阪神・青柳 粘投5回3失点も5戦連続勝ち星なし 10勝から足踏み
「阪神2-8広島」(29日、甲子園球場)
トンネルの出口が見えない。阪神・青柳が5回4安打3失点で5敗目を喫した。自身初のシーズン2桁10勝目を挙げた8月24日・DeNA戦を最後に、登板5試合連続勝ち星なし。大躍進でチームの原動力となった前半戦の姿はいずこへ…。
微妙な判定にリズムを狂わされた初回。2死一、二塁から坂倉に左翼線へ適時二塁打を浴びた。5試合連続で先制点を与える背信投球。「今日も先制点を与えてしまいましたし、早い回で降板することになり、チームに良い流れを持ってくることができずに申し訳ないです」と猛省した。
二回を三者凡退に抑えて立ち直ったかに見えたが、三回に逆風が吹き荒れる。1死から小園に右翼席へ被弾。続く四回には坂倉にバックスクリーンへ運ばれた。右腕はマウンド上で放心状態。攻撃陣の援護も乏しく、不完全燃焼のまま79球でマウンドを降りた。
この日、広島は左打者7人をスタメンに並べてきた。矢野監督は「どこもやってくるからね。左打者をどう抑えるかというのを挑戦している中で、やられている感じはあるんで」と指摘。連打ではなく、2被弾で沈んだことについても「粘ってほしかった」と注文を付けた。
昨年も9月は5試合の登板で0勝4敗、防御率6・41と苦しい1カ月だった。それでも、月が変わって10月になると4試合で1勝1敗、防御率1・75と持ち直している。V争いは最後の最後まで分からない。青柳の右腕に命運がかかっている。
2桁勝利を達成した日、背番号50は改めて「僕自身、ずっと13勝っていうのを目標に挙げている」と語っていた。自身初の最多勝に向けても絶対に負けられない。残り21試合。真価を発揮してみせる。