阪神・佐藤輝 首位陥落虎を救え!矢野監督昇格明言 2軍戦で出た1カ月ぶり一発
「ウエスタン、広島4-5阪神」(22日、由宇球場)
テル、1軍でも頼むぞ-。阪神は中日に敗れ、2位・ヤクルトが勝利したため首位陥落となった。わずか1得点と貧打に泣いた敗戦後、矢野燿大監督(52)は、2軍調整を続けていたドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)の昇格を明言した。この日、佐藤輝は2軍降格後初となる本塁打を放つなど持ち味をアピール。打線が機能しない中、優勝への現状打破を怪物ルーキーに託す。
最高の感触を手に、1軍へと返り咲く。佐藤輝が2軍の勝利に貢献する、決勝の勝ち越し2ランを放った。8月19日・DeNA戦(東京ド)以来となる待望の一発を放ち、再昇格への号砲とした。
「一番は本塁打を打ちたかったので、良かったです。一番求められているのはホームランだと思いますし、そこが自分自身の長所だと思っているので」
まさに「求められる」場面が訪れたのは同点の九回だった。1死一塁で、1ボールから中田の真ん中低め直球を振り抜いた。鮮やかに弧を描いた打球は、左翼芝生席の最深部へ着弾。ベンチへ戻ると控えめに「Zポーズ」を決めながらナインの出迎えに頬を緩めた。
「逆方向でしたし、すごい良かった」と佐藤輝。自身にとって大きな一発となったことはもちろん「ファームも優勝争いしてるんでチームにとっても良い本塁打になったので良かったと思います」とチームに貢献できたことを何より喜んだ。
平田2軍監督も、「最後にね。ここっていうところで4番の仕事をしてくれたわね。本当に一発ここで打ってくれないかなっていうところでの期待通りの一発だよな」と目を細める。前日は4打数無安打に終わっていただけに、「ホームランバッターはね、ああいうホームランが出てくるとまた調子上がってくると思う」とさらなる上昇に期待を寄せた。
この日は五回にも右前打を放ち、2軍降格後3度目のマルチ安打。着実に状態を上げてきたところで、1軍が中日に敗戦後、矢野監督が昇格を明言。チームが直近5試合で計6得点と貧打に苦しむ中、怪物新人の爆発力が必要な時が訪れた。
2軍での試合後には「(感覚が)戻ってきたので、また明日からもやっていきたい」と話していた佐藤輝。いきなりスタメンでの起用の可能性が高く、ファームで課題と向き合った日々を糧に、次は1軍の優勝に貢献するアーチを描く。