阪神・俊介 引退表明「悔いはありません」右肩痛消えず決断 駆け抜けた虎一筋12年

 引退会見で心境を語る俊介
 会見を終え写真に納まる(左から)原口、俊介、新井コーチ
 引退会見で俊介(右)は原口から花束を贈られる
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 阪神・俊介外野手(34)が16日、今季限りでの現役引退を発表し、兵庫県西宮市内の球団事務所で会見した。俊足巧打の外野手として「自分なりに精いっぱいやりまして、悔いはありません」。12年間のプロ生活を振り返り、心残りとするチームのリーグ優勝、そして日本一を願った。25日のウエスタン・オリックス戦(甲子園)が引退試合となる。

 悩み、苦しんだ。優勝争いのさなかで下した引退の決断。このままユニホームを着ていてもチームに貢献できない。寂しさ、そして悔しさが残る胸中。言葉にすると感情が込み上げ、俊介の目は赤く染まっていた。

 「自分なりに、精いっぱいやりまして、悔いはありません」

 自らの意思でユニホームを着用し、臨んだ会見。ここまでやれることはやってきた。だが「ここ2年、ずっと肩の調子が悪くて、守備もろくに就けない状態で。自分の中で守備を抜かしてしまうと、野球じゃないなというのもあったので。そこが大きな原因です」と理由を明かす。

 苦しめられた右肩痛。だましだましプレーしていたが、痛みは消えなかった。外野からの送球は、カットマンまで返すのが限界。葛藤が渦巻く中で「最近になって、もう時期なのかなという思いも出たので」と8月に引退することを決めた。

 「いいことも悪いこともたくさんありましたし。気づいたら12年やっていた。本当にあっという間で楽しい野球人生」

 09年度ドラフト5位で指名されたが、阪神が“強行指名”したため入団交渉は難航。就職先との関係もあった中、最後は「プロでやりたい」という思いを貫き、たった1人で入団会見に臨んだ。1年目から124試合に出場するなど華々しいスタート。一方で、プロ2年目の11年4月15日の中日戦では、大先輩の記録を止める大失態もあった。

 八回2死から四球で出塁し、代打・金本の打席でサインを見間違えて二盗に失敗。金本の打席が完了せず、守備に就かないまま交代したため、13年間積み重ねられてきた連続試合出場記録が1766試合で途絶えた。

 浴びた脚光よりも、苦労の色がにじんだプロ野球人生。「レギュラーを取れなかったこともありますし、リーグ優勝、日本一になっていないので、そこだけは心残りです」。虎戦士としてやり残した目標は、後輩たちに託す。次に流すのは歓喜の涙と信じている。12年間、タイガース一筋でプレーし続けた男が、愛したタテジマに別れを告げる。

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