【新井貴浩氏の眼】悔しさをエネルギーに変えた阪神・大山

 「阪神2-1中日」(1日、甲子園球場)

 悔しさを燃やしエネルギーに変えたタイムリーだ。同時に冷静だったともいえる。六回に勝ち越しタイムリーを放った阪神・大山は3ボールからスイングしたことが素晴らしい。

 3ボールから打ちにいくということは勇気のいることだし、気持ちが退(ひ)いていないということ。まして、1打席目や2打席目のことがある。普通なら『1球待とう』という心理が働いてもおかしくない。彼の気持ちの強さを見たタイムリーだ。

 大山は初球からスイングできるバッター。好調時は浅いカウントから打ちにいき、捉えられなくても空振りやファウルになる。逆に状態の良くない時はフィールド内に打球が飛ぶ。自分の間でスイングできていないことが影響していたのだろう。

 結果が欲しいという心境は分かる。だが、結果ばかりを追い求めると力みが体の開きにつながるし、無意識にボールを見ようとし過ぎて、始動やタイミングが遅れがちになる。

 私もそうだったが、状態の悪い時は凡打の内容を上げるという考えで臨んだ方がいいことが多々ある。気持ちが楽になるし、復調への近道になると思う。期待されている選手だ。『やらなければ』という気持ちになることは理解できる。だけど背負いすぎなくていい。

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