阪神・矢野監督 G戦連敗…中野に「勝負」の代打・北條も空振り三振
「阪神1-2巨人」(20日、甲子園球場)
阪神は九回、四球を選んだ梅野の代走・植田が二盗に成功すると、虎党の応援に熱が帯びた。1点を追う状況で1死二塁。一打同点の好機に甲子園は期待感が充満したが、代打・糸井が見逃し三振に倒れる。さらにビエイラの163キロ直球後の144キロスライダーに近本のバットが空を切ってゲームセット。聖地はため息に包まれた。
「うんまあ、あと一本出なかったなという印象かな」。矢野監督が悔しさを押し殺すように振り返った一戦は、両軍ベンチの意地と意地がぶつかり合う展開となった。
「高梨に対して左(打者)がかなり苦しいんで。ちょっと左打者の分が悪いところなんで、ジョーで勝負に行った」。七回、2死一、二塁の場面では矢野監督が好調な中野に代打・北條を送り出す。
カウント1-1からの3球目が暴投となり、二、三塁と好機拡大。そしてカウント2-2になると、今度は原監督が高梨を右の鍵谷にスイッチした。「こちらには関係ないというか、全員で点を取っていくというのには変わりはないんで。それは相手側のことなんで」と矢野監督が話した対決の結末は空振り三振。巨人の「マシンガン継投」に軍配が上がった。
無敗を誇っていたデーゲームで今月2度目の連敗。巨人と7ゲーム差で迎えた交流戦明け、リーグ戦再開最初のカードは負け越しに終わった。ここでさらにゲーム差を広げていれば、相手の反撃意欲をそぐことができたが、ディフェンディングチャンピオンの執念もさすがだった。
「全体的に状態が下がっているとか重いとか、そういう感じはない。しっかり受け止めてまた戦っていきます」と矢野監督は前を向く。ヤクルトも勝ったため、2位で並ぶ巨人、ヤクルトとは6ゲーム差となったが、独走状態に変わりはない。この先も一歩一歩着実に、Vロードの歩みを進めていく。