名伯楽も驚く 阪神・佐藤輝は「開幕1カ月で進化」その理由を内田順三氏が解説

 阪神快進撃の原動力となっているドラフト1位・佐藤輝明内野手。5月は月間打率・360と上昇し、トータルではリーグトップタイの10本塁打をマークしている。左投手に対しても打率・311と苦にしない。巨人や広島で多くの強打者育成に尽力し、現在はJR東日本アドバイザーを務める内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)は「ゲームの中で進化してきている」と、佐藤輝の“変化”に注目した。

 ◇ ◇

 まず、左投手に対して結果が出ているのは、変則の左投手でない限り、かかとに体重が乗ることもないし、体勢が崩れることもないから。彼は広角に打てることが強みで、非常に対応能力を感じるよね。右投げ左打ちで、リードする利き腕(右腕)のコントロールの仕方も上手。左肘の使い方も柔らかい。11日の中日戦で、小笠原から右越え二塁打を打ったでしょう。あれを見ても、内角球に対してうまく肘をたたんで打っている。

 それと、意識の問題もあると思う。これだけ結果を出していると相手はインサイドを攻めてくるものだけど、それに対して、特に左投手に対しては肩を開かないようにと意識しているのではないか。肩が開くと、どうしてもインサイドが苦しくなるから。振り回さなくてもスタンドに入れられるし、詰まってもヒットにできるパワーもあるからね。

 それにしても、ルーキーイヤーはプロの投手の角度、コントロール、スピード、キレに戸惑うものだけど、ここまでの1カ月で、佐藤はゲームの中で進化してきている。近大時代の彼を実際に見たことがあるが、その頃とは格段の違いを感じる。プロのスピードに対しても、開幕時と比べると足の上げ方を小さくして対策しているよね。これにより目線のブレもおさえられる。確率が上がってきているのはそういうところにも要因があるでしょう。

 実際、内角を意識させられて振ってしまっていたボール球を見極められることも増え、三振は減り、フォアボールの数も増えている。カウント1-1からボールを見るか、振るかによって1-2になるか、2-1になるかでも大きな違いがある。そういうところを見ても、この1カ月で進化しているのは、彼が打席の中での工夫を自分自身でも考えてやっているからではないか。

 ここから、相手は縦の変化、フォークを多く使ってくるんじゃないかな。でも、それに対しても慣れていくだろうし、今の彼の進化を見ていると対応していけるだろう。今後の成長がさらに楽しみだね。

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