【岡義朗氏の眼】阪神が下位打線の強さを見せつけたゲーム
「阪神6-0広島」(14日、甲子園球場)
広島ベンチから見た阪神打線は、改めて「力をつけたな」というのが実感だろう。
それを示したのが、まずは中野の活躍だった。二回2死無走者から四球と失策でチャンスを“もらった”。西勇と森下。ロースコアが予想されただけに、これを得点につなげられれば、流れは阪神のものとなる。
しかし、これまではここが阪神の弱点でもあった。下位打線の弱さ。ところが中野は2ボールから、森下の力のある直球をきっちりと右前にはじき返す先制打を放った。
これには、広島サイドも層の厚みを感じただろうし、この勝負強さも、これまでなかったものとして、警戒感を強めたに違いない。
さらに四回、佐藤輝の本塁打。これは前の打席まで、執ような内角攻めに遭ってきた佐藤輝が、2ストライクと追い込まれながらも裏をかいた変化球を一発で仕留めたものだ。
そこには内角への対応力の進歩があることも見逃せない。下位打線が得点源となったこの試合。本物の強さを見せつけた。