金本知憲氏 阪神・大山はワンランク上へ高めの速球に強くなること

 阪神は今季2位に順位を上げた。一方、巨人には8勝16敗と大きく負け越し、7・5ゲーム差をつけられて独走を許した。収穫と課題、来季の展望などを監督経験者ら、デイリースポーツ評論家のレジェンドOBが分析する。主軸として2003、05年のリーグ優勝を導き、18年シーズンまで監督を務めた金本知憲氏(52)は、生え抜き野手3人をキーマンに挙げた。

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 私が監督時代から「生え抜きの大砲を育てよう」と取り組んできて、大山がホームランを打てる選手へと成長した。打席での迷いがなくなったし、多少の余裕も出てきた。精神面の充実に加え、打撃内容を見ていると、穴が少なくなってきたように感じる。

 打席でそんなにヤマを張らなくても、来たボールに対して打てる球は打てるタイプ。打撃フォームにしても、ステップしていく時に体が前に突っ込まなくなった。軸がしっかり残ることで、右方向へも強い打球を飛ばすことができる。どんな球に対しても対応できそうな雰囲気が出てきたところに、成長を感じている。

 ただ、まだまだ伸びしろもある。もうワンランク上に行くためには、高めの速球に強くなることが必要。まだ少し力負けすることがある。本当にいい投手の高めの球は、誰でも簡単に打てるものではない。ベルト付近より高い球には球威がある。一方、打者からすれば最も長打が出やすくなるコース。きっちりと打てるようになれば、もっともっとホームランや長打が増えてくる。

 では、高めの球を打つために何が必要か。一番はスイングスピードをさらにアップさせることだろう。今年の日本シリーズでは、巨人がソフトバンクに4連敗した。ダルビッシュ(米大リーグ・カブス)も「フィジカル差を感じる。一定のレベルを超えると、技術では抑えきれなくなる」と話していたが、その考えに同感だ。

 根本的な身体能力の強さが付いてきて、振る力が付いてくるということはある。もちろん体が強くても、ちゃんとしたスイングをしないと打てないが、筋力がなければスイングスピードも上がってこない。速い球に強くなることが一番大切。このオフ、意識して過ごしてもらいたい。

 長いペナントレースには運の要素もある。巨人との差、来季リーグ優勝のカギと言っても、現時点では分からない部分も多い。ただ、チーム全体として総合的な戦力はでき上がってきた。大山に近本、梅野。生え抜きの3人がこのまま順調に成長し、中心として活躍することができれば、来年は楽しみなシーズンになるだろう。

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