阪神・大山「猛虎感動大賞奨励賞」受賞 今季開幕ベンチからはい上がり28発

 阪神の大山悠輔内野手(25)が1日、本社制定「2020年猛虎感動大賞奨励賞」を受賞した。兵庫県神戸市内のデイリースポーツ本社での表彰後、新たに主将として臨む21年シーズンの決意を激白。「今年以上は最低限」とキャリアハイの更新を誓った上で、4番として全試合に出場しての優勝を目標に掲げた。グラウンド内外で重責を担い、チームを16年ぶりの頂点に導く。

 神戸港を望む。遠くに本拠地・甲子園球場も見える。デイリースポーツ本社屋上から、大山は街並みをじっくりと眺めた。「やっぱりきれいですよね」。“地元”の風に揺られながら、激動のシーズンを振り返った。オフに入って初めての表彰式。充実感もにじむ。

 「今年ダメだったら…と毎年、危機感を持っています。特に今年は。開幕戦にスタメンで出られなかったし。出場もできなかった。危機感がありました」

 飛躍を支えた覚悟を明かす。キャンプからマルテと三塁の定位置を争い、オープン戦で首位打者に輝いた。だが、新型コロナウイルスの影響で、シーズン開幕が大幅に遅れる。自粛期間明けの練習試合で結果を残せず、開幕戦はベンチスタート。出場すらできなかった現実が巻き返しの原動力だった。

 負傷離脱したマルテに代わって、7月5日の広島戦に今季初の4番で出場。2ランを含む2安打3打点と活躍して以降、一度もポジションを明け渡さなかった。最後まで巨人・岡本らと本塁打のタイトルを争い、ヤクルト・村上と並ぶリーグ2位タイの28本塁打。来季は球団として、84年の掛布以来37年ぶりとなる生え抜き4番のタイトルも見える。大山は飽くなき向上心で挑む。

 「これだけ取りたいというのはないです。全部で成績を残したい。今年以上は最低限だと思っています。主将ということもあって、自分のことだけじゃダメ。小中高の時のキャプテンとは、また違う重圧はあります」

 新主将として臨む2021年。小学6年時以来の大役に、何度も「覚悟」と「責任」を口にする。理想のリーダー像として、全試合出場が第一目標。「いろんな形があると思うんですが、自分としてはグラウンドでしっかりと引っ張りたい。試合に出てプレーする。その姿で引っ張りたい」とケガなくシーズン完走を誓った。

 藤川が現役を引退し、福留、能見、上本らがチームを去った。急激な世代交代が進む。変革期の主将、そして4番。グラウンド内外でチームの中心を担う。「タイガースは僕たちが引っ張っていかないといけない」。自らの手が命運を握る。目指すは16年ぶりの悲願。03年以来の神戸Vパレードで、関西の街に活気を取り戻す。

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