阪神・藤川に竜党もありがとう 敵地ナゴヤDで「球児コール」異例のセレモニー

 贈られた花束を手に場内を一周しドラゴンズファンからの大歓声に笑顔で感謝する藤川
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 「中日5-3阪神」(15日、ナゴヤドーム)

 今季限りでの引退を表明している阪神の藤川球児投手(40)が1軍に復帰した。九回に悪夢のサヨナラ負けを喫したこの日は登板機会こそなかったが、試合後には敵地・ナゴヤドームで異例のセレモニーが行われ、中日・荒木守備走塁コーチが花束を贈呈。竜党で埋まる右翼席から「球児コール」も沸き起こった。残り21試合。最後の勇姿を、全国のプロ野球ファンに披露する。

 「球児!球児!球児!」…。試合が終われば敵も味方もない。ナゴヤドームは「球児コール」の大合唱だ。中日・荒木内野守備走塁コーチから花束を受け取った藤川は場内を一周。大歓声に手を振り、名古屋のファンへ、感謝の視線を向けた。

 「本当にうれしい限り。感謝。次の人生を歩いていくという意味でいい時間をいただきました。名勝負を繰り広げさせてもらった。人の印象は消えないんだなって。その記憶を大事にこれから生きていこうと思いました」

 ナゴヤドームはかつて死闘を重ねた決戦の地だ。荒木、井端、岩瀬、ウッズ…。落合監督時代は幾度となくセの覇権を争った。チーム別最多通算47セーブが死闘の証しだ。

 「戦いもするんだけど、一緒に戦ったメンバー。ファンの方もすごく分かってくれている。そういうのはなかなか出会えることはない。何とかここに間に合わせて、来られたことがこんなに幸せなんだと思いました」

 試合前から表情は晴れやかだった。15時25分、グラウンドに登場すると、中日・荒木コーチ、伊東ヘッドコーチへあいさつ。以前ウッズを担当した通訳からは「ウッズがよろしくと言っていたよ」とうれしいサプライズも。かつて真っ向勝負を演じてきたからこそ互いが認め合う。「会えることはないと思うし…だけど僕もそうなるんだろうなと」。当時を思い返し、感傷に浸らずにはいられなかった。

 残り21試合。新たな野望も口にする。ナインと積み上げる日米通算250セーブだ。節目まで残り5セーブ。「スアレスがセーブを挙げて(ウイニングボールに)サインを書いてもらって、246セーブ目と言いたかった。それで250セーブを超えられたらね」と笑った。

 2位を争うチームは悔しいサヨナラ負け。「自分はいつ出番があるんだろう」。ブルペン待機中は勝負師の血が騒いだ。「勝負の中で生きていきた人間。力になりたかった。チームの雰囲気とか考えちゃう」。もう一度、戦いの場所へ-。藤川のラストランは始まったばかりだ。

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