阪神・揚塩球団社長が辞任 「球界全体に2度、大きな迷惑」で引責

 阪神の揚塩健治球団社長(60)が9日、今季限りで辞任する意向を固め、兵庫県西宮市内の球団事務所で会見を開いた。新型コロナウイルス感染者が相次いだことなどによる引責辞任で「球界全体にご迷惑をおかけした」と陳謝した。辞任は12月1日付で後任は未定。3月に始まった一連のコロナ騒動は、ついに球団トップの辞任にまで発展した。

 一連のコロナ騒動はついに、球団トップの電撃辞任に及んだ。この日の午後、球団事務所で会見を開いた揚塩球団社長は、12月1日をもっての退任を発表。「2度、球界全体にご迷惑をかけた事実は否めない」と陳謝し、シーズン途中に発表することで騒動の幕引きを図った。

 「フィールド外についてはフロント、トップである私の責任。監督に責任はございません」。会見前、矢野監督と会談した揚塩社長は、全責任を負う覚悟を伝えた。開幕前から続いたコロナ騒動。球団内外から管理体制が問われた中、トップとしてけじめをつけた。

 3月27日、藤浪、伊藤隼、長坂の3選手が新型コロナウイルスに感染したことを受けて会見を開き、同社長は「大変重く受け止めている」と頭を下げた。当該選手は大阪市内で食事会に参加。初期段階から外出禁止の内規を定めた球団もあった中で、球団は専門家チームの作成した提言書の下、外出自粛などの注意喚起にとどめていた。

 さらに9月24、25日には糸原ら選手5人と球団スタッフ2人が感染。小川、岩崎の濃厚接触者に加え、福留、江越、小林、木浪の4選手を球団独自の濃厚接触者に指定し、計10人を登録抹消する事態に陥った。

 コロナ集団感染の一因となったのが、同月19日に遠征先の名古屋で許可されていた外食。球団が定めていた「4人まで」「同一ポジションは避ける」という内規を破った8人での食事会が判明した。

 「球団内全ての責任は私、トップにあります。球界全体に2度にわたって大きな迷惑をかけた。これは大きな事実。私が辞任すべきだと考えました」

 この日、糸原、岩貞、馬場、浜地が2軍残留練習に合流。球団独自の判断で濃厚接触者として隔離していた木浪と江越は2軍・ソフトバンク戦で実戦復帰した。福留らも含めた離脱者11人中10人が快方に向かう現状を見届け、球団トップとして辞任という決断を発表した。

 会見中には目をつむり、言葉に詰まる場面もあった。17年12月1日付で球団社長に就任し、今季が3年目。一昨年オフには矢野新監督就任を推し進めた。「矢野野球…超積極的で諦めない、誰かのために。この野球が開花して優勝してほしい」。騒動の幕引きを願い、志半ばでチームを去る。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス