阪神・岩田 454日ぶり白星!36歳お見事6回2/3を無失点

 7回、中日・シエラを併殺に打ち取り、ガッツポーズをする岩田
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 「阪神2-0中日」(1日、甲子園球場)

 勝利後に自身が放ったコメントが的確に阪神・岩田という投手を表していた。「“消えそうで消えない油性ペン”みたいなのが岩田稔だと思ってるので、そういうふうに頑張っていけたらなと思います」-

 2019年7月5日・広島戦以来、454日ぶりとなる白星。この日はプロ15年目、今月には37歳を迎えるベテランの技が詰まった投球だった。

 丁寧に低めを突き、打者23人から内野ゴロでアウト13個を奪い、三塁を踏ませない。「この時季は甲子園は逆に風が吹いたりする。(打球が)上に上がると失点につながる。低め低めの意識で」

 五回のピンチを無失点で切り抜けると、ベンチ前では「またどうせ飛んでいくんで、次頼むで」と失策を犯した小幡に声を掛けた。これもベテランらしい気遣いだった。

 1型糖尿病患者の岩田には頑張り続ける理由がある。昨年末に糖尿病患者支援を行うアークレイ株式会社が行った「挑戦」をテーマにした動画募集キャンペーンの表彰式に出席。最優秀賞に選ばれたのは当時順天堂大3年の野島理紗子さんだった。

 野島さんは自転車競技のトップ選手だった高校時代に岩田と同じ1型糖尿病を発症。医者から「もうやめなさい」と言われながらも、入院生活中に岩田の著書「やらな、しゃーない!」と出会い、今も大学で自転車競技を続けている。同じ病の人たちの希望になりたいという思いが、岩田の大きな原動力だ。

 当初は9月30日のウエスタン・オリックス戦に先発予定だったが“コロナショック”で登板がずれ込んだ。「こういう状態なのでいけと言われたところにいくしかない。(予定が)二転三転四転五転したけど、流れに身を任せてしっかりできたかな」と胸を張る。

 プロ15年目での通算60勝目。今季の初勝利は7月21日に101歳で永眠した「大好きだった」祖母・岩下ミツヱさんへささぐ勝利でもあった。

 16年からは0勝、3勝を隔年で続けている岩田。まだまだ“インク”が尽きることはなさそうだ。

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