阪神・西勇 球児に捧ぐG戦初星「花道飾れるように」粘投八回途中4失点

 5回、中島を三振に仕留め右手を突き上げる西勇
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 「阪神5-4巨人」(4日、甲子園球場)

 マウンドから違った景色が見えた。伝統の一戦。阪神・西勇は言葉の持つ意味、重みを初めて感じた。通算11度目の対戦でつかんだ勝利。カード頭を託されたエースは、7回2/3を7安打4失点(自責3)の粘投で重責を果たした。打倒・巨人に生きたレジェンドに捧ぐ1勝でもある。

 「今まで外様で、伝統の一戦と言っていいのか、感じていいのか悩んでいました。でも球児さんの言葉で、向かっていく気持ちが大事だと再確認できた」

 逆転優勝に向け、負けが許されない一戦。初回、先頭・坂本にスライダーを5球続けて空振り三振に斬って取った。松原も変化球攻めで一ゴロに抑えると、亀井の2球目で初めて直球を選択。最後はチェンジアップで空振り三振に抑えた。

 文字にすれば「全球スライダー」。だが、その中でも球速差を付け、ボール1個分の出し入れを駆使。緩急、奥行きを使った投球術に、勝ちたい、勝たせたいという気迫も加えた。二回、丸に右前打を浴びたが、以降六回まで無安打投球。二回にはセーフティースクイズを決めた。中盤は直球系で強気に押した。伏線が生きた。

 1日、藤川が引退会見を開いた。時を同じくした甲子園。練習前に藤川の登場曲が流れた。LINDBERGの「every little thing every precious thing」。かつて勝利を確信させたメロディーだ。虹が架かる“母”なる聖地。レジェンドに贈る惜別の演出は、西勇の発案で実現した。

 「先輩が残してくれたものは、すごく偉大。伝統の一戦の一員として躍動したい。球児さんの言葉の重みを受け止めて、花道を飾れるように一生懸命にやらないといけない」

 打倒・巨人に生きたプロ22年。西勇が笑いながら投げ、最後は球児が締める。日本一を誓う矢野監督の予祝である。七、八回と2点ずつを失い、2死一塁で途中降板。「悔しい」と口にしたが、価値ある5勝目となった。まだ1勝、まず1勝。逆転Vにつながる道が見える。ファイティングポーズは崩さない。

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