「阪神５－４巨人」（４日、甲子園球場）

　阪神・サンズは家族の目の前で、ドデカい一発をぶちかました。“ヒーロー”となったパパがグラウンドを一周する中、２人の息子が『サンズ』の真っ赤なネームタオルを誇らしげに掲げる。虎党も総立ちで貴重な貴重な中押しとなったサンズの一撃に拍手喝采だ。

　「家族の前で打てて良かったよ。応援に来ているときは毎回活躍できるようにしているんだけど、特に今日はいいところを見せられたかな」

　満足そうに振り返った２ランが飛び出したのは、先頭の糸井が二塁打を放った六回だ。代走の江越が初球に三盗を成功させる。ただでさえ得点圏打率が高いサンズだが、走者三塁でも無類の勝負強さを誇る。

　４球続いた低めの直球を捉えた打球は、バックスクリーンへ一直線に飛び込む１５号２ラン。ここ５試合で４発と４番のバットの勢いはとどまることを知らない。走者三塁では９打数７安打９打点の打率・７７８だ。

　「ミスショットすることなく、バックスクリーンまで運ぶことができて良かったよ」。そう振り返った一撃で『ユニ・チャーム　バックスクリーンホームラン賞』の賞金１００万円もゲット。７月２１日の広島戦で放った４号ソロに続く２度目の１００万ゲットに「子供が大学に行く費用をしっかりためたいんで、それに充てたいね（笑）」とホクホク顔で喜んだ。

　「東京ドームでは点を取れなかったからね。またいい形で巨人戦に向かえる」。首位猛追に、この男の打棒は欠かせない。