阪神・岩貞 野球ができることが当たり前ではない…こういう時ほど団結力を

 「がんばろう日本 虎戦士からのエール」(随時掲載)第4回は、阪神・岩貞祐太投手(28)からの熱いメッセージです。3年目の2016年には故郷が熊本地震で被災。野球ができない状況を肌身で知った。こういう状況だからこそ、心の団結力が必要だと考える左腕はプロ野球選手の使命として、元気や勇気を与えるためにマウンドに立ち続ける。(3月25日取材)

  ◇  ◇

 当たり前の日常が当たり前ではなくなる。そう痛感させられたのは、2016年4月に発生した熊本地震。当時、屋根瓦が崩れた民家など、目の前には悲惨な光景が広がっていた。「野球ができることが当たり前ではない。そう感じさせられる瞬間だった」。故郷の被災に胸を痛めると同時に、野球ができる喜びを再認識した。

 「(開幕を)みんな楽しみにしていただろうし、僕らも野球をやることが仕事なので。できないというもどかしさはありますけど。必ずできるようになる時は来ると思う」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕延期となり、今春のセンバツは中止。過去の震災と比べることはできないが、多くの人がつらい思いをしている。だからこそ、考え抜いて色紙に「団結力」の文字をつづった。

 「こういう時ほど、みんなで力を合わせることが必要。心の団結力を持っておかないといけない」

 人を思い、助け合う-。熊本地震発生時、地元のためにすぐに動いた。「熊本の人の方が大変なのに、そういう状況でも多くの人から『頑張って』とか、声を掛けてもらった。そういう声を聞いて、自分のできることをしっかりやりたいと思った」。その年、自身初となる2桁勝利を挙げ、オフには野球教室や寄付などの復興支援を開始した。

 今季でプロ7年目を迎える。13年度ドラフト1位で入団し、即戦力として期待されていたが、1年目も2年目も1勝止まり。だが、大好きな野球ができていると思うと、下を向くことはなかった。

 「一番に野球が好きというのがある。成績が出なくても野球だし、出ても野球。野球ができていることに感謝してプレーしている」

 プロ野球選手としてやらなくてはいけないこと、今できることはある。「何を見て元気をもらうのかは人それぞれだけど。自分はそういうことができるという立場。できることをやっていかないといけない」。つらい思いをしている人々へ。勇気と希望を送るためにも、岩貞の心は奮い立っている。

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