「阪神春季キャンプ」（１日、宜野座）

　ソフトバンクから、トレードで加入した阪神・中田賢一投手（３７）が１日、ブルペンで実戦を想定した本格的な投球練習を行った。変化球を交えた５３球に早くもクイックを解禁。トラックマンでは１４２キロを計測し、矢野監督は「意気込み、姿勢も素晴らしい」と大絶賛だ。

　かつて「暴れ馬」の異名を誇ったように、ダイナミックな投球で視線をクギ付けにした。捕手の頭上に大きく抜ける球もあったが、スライダー、カット、シュート、フォークと多彩な変化球も披露。実戦さながらの投球に、矢野監督も捕手の後方まで移動。じっくり球筋を確認した。

　指揮官の視線を感じながらの投球。「もちろん知ってましたよ」と笑う中田だが、経験豊富なベテランが動じることはない。「もっといい球を投げたい。アピールというレベルではなくて、もっとこれから。球も高くいっているので、高さを変えたい」。見据えるのは開幕ローテ入りだ。

　ただ、親しみを込めて「ケンちゃん」と呼ぶ指揮官の評価は高い。「昨日も室内に行ったら球を投げる姿を見た。初日としたら十二分なくらいの球だったね」。準備、姿勢、実績…期待は高まる中、ベテラン右腕からは笑みものぞく。「（球速も）自分の思うような数字。自分のペースでやっていきたい」。復活の１勝へ、上々のスタートを切った。