藤浪 クビ覚悟で挑む「後がないつもり」武豊&巨人・坂本から金言

 ベースランニングで、勢いよく三塁を蹴る藤浪
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 阪神の藤浪晋太郎投手(25)が5日、新年に背水覚悟の誓いを立てた。「勝負の年」と位置付け、あえて悲壮感を口にする。「後がないつもりで臨む」。この日は兵庫県小野市で野球教室(小野ボーイズ主催、ゼット社協賛)に参加した。年始には巨人・坂本勇人内野手(31)、JRA騎手の武豊(50)と会食。2人からの金言も胸に、2020年の完全復活を強く誓った。

 肌を刺すような寒波を寄せ付けない。熱のこもった指導は4時間に及んだ。藤浪は子供たちの真剣な瞳、無邪気な笑顔に幼少期を思い出していた。「ピュアに野球をやっているので。刺激になりますし、そういう時の気持ちに帰ります」。原点を再確認し、新年に誓ったのは強い覚悟だ。

 「ここ数年、ずっと成績が出ていない。勝負の年ですし、後がないつもりです。毎年そうですけど結果、数字を出すしかない。そこに向け、シーズンにいい形で入れるように」

 気温4度。凍える寒さは熱量が上回った。口にしたのは危機感、悲壮感。昨季は7年目にして初の未勝利。15年の14勝を最後に成績は下降線をたどる。「何年も結果を出していないと、クビやトレード。プロは勝負の世界、厳しい世界だと思う」。日本最高峰の舞台。弱肉強食の戦いに、負けるつもりはない。

 胸中をあえて、初めて口にしたのには理由がある。先日、JRA騎手の武豊、巨人の坂本らと食事をする機会に恵まれた。一流の2人が語ったのは「言葉の大切さ」だという。具体的な言葉は胸にしまった。それでも、トップを走り続ける理由を、耳と肌で感じた時間。目指すべき方向性を再確認したようだ。

 「すごくいい話をしていただきました。技術がどうとかじゃないんですけど、自分の発する言葉の大事さを教えてもらいました」

 野球ファンは、その背中に夢を託し、その言葉に希望を抱く。プロアスリートの持つ力であり、一流選手の使命でもある。年末年始も自主トレを続けてきた。「キャンプでは初日からブルペンで、バリバリ投げられるようにしています。そういう意味では例年通りです」。早まる開幕も問題はない。2月1日に向けた準備は万端だ。

 少年時代。桑田、清原ら「昭和42年会」の野球教室に参加し、憧れを抱いた。夢をかなえ、子供たちの前に立ち、復活を誓う。「活躍できなかったらクビになるのは当然。だから頑張るわけじゃないですけど覚悟、危機感を持ちつつできたら」。終わりは始まりの合図になる。苦しんだ3年を力に変え、分岐点となる2020年に挑む。

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