聖望学園・岡本幹成監督 鳥谷へエール お前は後輩たちの夢で憧れなんや

 今季限りでの阪神退団が決まっている鳥谷敬内野手(38)へ、先輩、後輩、恩師らからエールが寄せられた。新天地での現役続行を目指す鳥谷の“真の姿”を知る人たちが、激励の言葉を贈る。1999年夏に甲子園出場を果たした聖望学園時代の恩師・岡本幹成監督(58)が当時を振り返り、新天地へ向かう「最高の卒業生」にエールを送った。

  ◇  ◇

 子猫がな、大きくなったんや。鳥谷たちが聖望にいた頃に飼ってた子猫がやで。俺も年を取るわけやな。阪神で16年。そうか、38歳になったんか-。

 鳥谷の野球人生の中で、あれが唯一の“離脱”になるんちゃうかなあ。右肩の関節唇損傷。あれは、本当に俺のせいやな(笑)。すまん。任せたかったんは、背番号「6」の投手。あのときは、肩が強い鳥谷しかおらんと思ってお願いしたんやけど…。遊撃をやりながら、何も言わずに投げてくれてな。痛い、かゆいなんて、あの頃から一言も言わんヤツやったよ。

 その疲労が出て、高2の夏やったか。肩を壊してしまって。1カ月間ゆっくりと治すことに決めると、ただひたすら辛抱の時期。そのときから、ものすごく意志の強い子やった。鳥谷の2つ先輩・守コーチが聖望の選手たちによう言うんや。「鳥谷はな、入部してきたときは、そんなにすごい選手じゃなかったんだよ」って。「1年の冬を越えて、2年の冬を越えて。たくさんの努力が、あれだけの選手を作ったんだぞ」ってな。お前は後輩たちの夢で、今も変わらず憧れなんや。

 2年前の5月やったかなあ、顔面死球を受けて鼻骨骨折したんは。「大丈夫か?」。さすがにメールしたけど、次の日には黒のフェースガードをつけて試合に出てな…。あぁ、変わらんなって。うれしかった。「お前もすごいけど、あんなもん(フェースガード)が1日でできるのも相当すごいな」って笑いながら言うたっけ。

 あの子猫は、後輩たちに“ムーシャ”って名付けられたんや。俺には全く懐かない…でもな、俺思うんや。最高の監督人生やったなって。俺を甲子園に連れて行ってくれた最高の卒業生たち。一人は今もプロの世界で頑張る鳥谷、そのときの主将・宮崎は今ここ聖望学園でコーチをしてるやなんて…。早大に行く選択、阪神に行く選択。どれもお前が自分で決めて、進んできた道。どれも間違っていなかった。だから阪神退団はチャンスなんちゃうかなとも思う。自分を信じて突き進めばええよ。

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