近本“2冠”いける!山田哲に並んだ33盗塁 150安打で長嶋にあと3
「巨人1-2阪神」(16日、東京ドーム)
黄金ルーキーの勢いは止まらない!阪神の近本光司外野手(24)が2安打2盗塁の活躍でチームを引っ張り、巨人を撃破した。盗塁数は33となり、山田哲(ヤクルト)と並んでリーグトップ。安打数は150本で、新人のシーズン安打数で京田(中日)を抜いてセ・リーグ単独2位に浮上した。今季41回目のマルチ安打は球団の新人シーズン最多記録を更新。残りは8試合。最後の力を振り絞る。
大きな一歩を踏み出した。近本が狙い、駆け抜ける。いずれも得点につながった二盗&三盗で、リーグトップタイの33盗塁を記録。そして積み上げた快音は、150個に達した。「今日は一番いい仕事ができたかな」。試合後には、少しだけ誇らしそうに笑った。
反省を、勇気に変えた。初回に四球を見極めると、何度もけん制を受けながらも二盗に成功。相手バッテリーを揺さぶり、福留の先制打を呼び込んだ。六回には左翼フェンス直撃の二塁打を放つと、すぐさまタイミングを見計らう。1死を挟み、マルテへの3球目で今度は三塁を盗んだ。
悔しさが、その一歩につながっていく。盗塁を仕掛けられなかった15日の巨人戦後。「僕に走る勇気がなかった」と終始唇をかんでいた。毎日に及ぶミーティングでは、筒井外野守備走塁コーチと改善点などを話し合っているという。「走ることで影響を与えられるなと思ったので。とりあえずスタートを切ろうと」。気持ちを切り替えると、最大の武器がチームを鼓舞した。
“毎日を大切にする”
座右の銘だ。初めて経験することばかりの毎日を、これまでもただひたすらに駆け抜けてきた。自身出場134試合目で、ヤクルト・山田哲と並ぶリーグトップの33盗塁に到達。もがき、苦しんだ時も、いつだって前を見続けてきた。ついに捉えた盗塁王の背中。あとは一気に抜き去る。
あれから11カ月がたった。タテジマに袖を通すことが決まったあの運命の日。大阪ガス・橋口監督からこう、送り出されていた。「プロは行く場所じゃない、活躍するところだぞ」-。プロに入るだけではダメなんだと誓ったあの日から、いつも一生懸命だった。
通過点の数字…でも目標でもあった。「150安打には到達したい」。数字にこだわりを持たない近本があえて、口にしたのは新人時代に149安打を放った同い年の中日・京田の存在があったからだ。これで歴代単独2位となり、リーグ新人記録である巨人・長嶋茂雄の153安打まで、あと3本になった。98年坪井智哉の球団新人シーズンマルチ安打記録も抜いた。残り8試合。まだまだ近本は走り続ける。活躍を届けるために。