ドラ1近本、刺した!打った!虎史上初新人開幕1&2番キナチカ旋風

 「阪神2-1ヤクルト」(29日、京セラドーム)

 地鳴りのような大歓声を浴びると、全身が震えた。矢野監督ら仲間だけでなく、3万人を超える大観衆を一振りで熱狂させ、思わず立ち上がらせた阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=。プロ初安打、初打点がチームを救い、自らの心にも自信を芽生えさせた。

 1点を追う六回。2死走者なしから木浪が相手の失策で出塁した。「甘かったからというのではなく、自分が打てると思ったから」と小川の初球、高めに浮いた128キロのチェンジアップを完璧に捉えた。鋭い打球は右中間を真っ二つ。悠々と三塁に到達する同点適時打で試合を振り出しに戻した。

 同期の木浪ともぎ取った貴重な1点。球団史上47年ぶりとなる新人Wスタメンで、史上初の1、2番起用にも最高の形で応えた。

 どんな結果でも求めていた初安打。「自分の中では内野安打くらいかなと思っていたんですけど」と思い描いていたものを上回る内容に納得の表情を浮かべた。デビュー戦で手にした記念球を見つめ「見に来てくれている両親に渡したいと思います」と、大事そうに袋に包んだ。

 打撃だけでなく、守備でも危機を救った。初回無死一、二塁。山田哲の中前打を捕球後、すぐさまバックホーム。ワンバウンド送球でヤクルトの先制点を阻止した。

 2人の兄の背中を追って小学2年で始めた野球。うまくなりたい-。その一心で朝から晩まで練習に明け暮れた。日課だったのが、自宅庭で父・恵照さんと行ったティー打撃。末っ子ということで打つ順番はいつも最後だったが、文句を言わずに兄が打ち終わるのを待った。「お父さんからは『しっかりボールを見て捉えるように』とよく言われていました」と父の教えが打撃の原点となった。

 ドラフト1位指名でプロ野球選手という夢をかなえた近本。「人生で一番といってもいいくらいの大きな運を使ってしまいましたね」と本人も驚きを隠せなかった。だが、「これからまた運をためていって、内野安打1本でも多く打てるようになればいいと思います」と願った。

 頼もしい若虎の誕生とベテランの闘志で開幕星をつかんだ矢野阪神。スタンドで見守った両親にも最高の贈り物となった。

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