高山 復活号砲 楽しみやの~虎オープン戦1号!バックスクリーン弾

 8回、大下(15)から中越えソロを放つ高山
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 「オープン戦、ヤクルト8-3阪神」(23日、ANA BALLPARK浦添)

 矢野阪神のオープン戦初陣は黒星発進となった。開幕カードの相手・ヤクルトに完敗を喫した中、高山俊外野手(25)がセンターバックスクリーンへ一発を放ち、復活へのノロシを上げた。新人王に輝いた2016年の打撃フォームも参考に、虎の若き安打製造機が輝きを取り戻し始めた。

 時が動きだす。苦しみ、迷い続けた2年間。高山が祈るような瞳で、白球を見つめた。その勢いは衰えることを知らない。チームオープン戦第1号となるバックスクリーン弾を放ち、中堅レギュラー争いへ猛アピールの合図とした。

 劣勢ムードに光を差し込む一振りとなった。6点ビハインドの八回。ヤクルト5番手・大下の代わりばなを狙った。初球、外角高めに浮いた直球を見逃さない。「これまでは全部ファウルになっていたと思う。それで追い込まれて…よかったです」。手に残る感触が、その結果を教えてくれる。フルスイングした打球は大きな弧を描き、そのまま中堅フェンスを越えていった。

 自然と言葉にうれしさがにじんだ。今キャンプの実戦では、なかなか快音を響かすことができず。それでも、前を向き続けた。今年こそは、ぶち当たった壁を壊しきる。そのために変わろう、変わりたい-。そんな高山の姿を、矢野監督も優しく見守り続けた。

 「打っていないときでも下を向いていないし、ベンチでもよく声を出しているし。去年までの俊だったらね。どうしても経験がないから、ちょっと落ち込むというのもあった」

 そんな高山に、道しるべが与えられた。浜中打撃コーチから提案された動画解析。現在の打撃スタイル、それと見比べるのは過去の自分だ。新人王を獲得した2016年の打撃スタイルを横並びにして比較。お互いに修正ポイントを持ち寄り、この日の朝に答え合わせを行ったという。同コーチもうれしそうに言葉に思いを込めた。

 「高山と意見が同じでした。かかと体重になってしまうことが多かったけど、今日はセンター方向にいい形で入っていけて。昔はこういう形で打っていたよなって、思い出させてくれる一発になったと思います」

 開幕センターに向けて価値ある一発。そして自らの復活へ、のろしを上げた。もがき続けた2年間。終止符を打つのは高山自身だ。暗闇の迷路の中で一人。光が差した、出口が見えた。

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