ドラ1馬場、光投デビュー 聖地で堂々6回1失点 金本監督も合格点

 「交流戦、阪神3-3オリックス」(21日、甲子園球場)

 切れ味鋭いスライダーがロメロのバットに空を切らせた瞬間、ガッツポーズが思わず出た。1打席目の借りを返すと、駆け足でベンチへ戻った。6回5安打1失点。阪神・ドラフト1位の馬場(仙台大)が、6回5安打1失点でプロ初登板初先発を終えた。

 「多少の緊張はありましたが、目の前の一人一人の打者に集中して投げました」。テーマ通り、捕手のミットを目がけて思い切って投げ込んだ。

 プロの洗礼を浴びたのは二回だ。「コースだったり、配球だったり、大事になることを実感した。課題も出たと思います」。1死からロメロに左翼スタンドに軽く運ばれる先制ソロを食らった。

 1点リードを許して降板し、あとは味方の逆転を祈るだけ。すると直後の六回、自身の代打・山崎の中前打を皮切りに2死二、三塁となり、糸井が右前に逆転適時打を放った。その瞬間、ベンチを飛び出し拳を突き上げた馬場。初勝利を手中に収めかけた。

 八回に逆転され、勝利投手の権利は消滅した。それでも、延長十二回の最後までベンチで声を張り上げた。

 スタンドで観戦した父・恒彦さん(46)は息子について「まあ一般的なピッチャーをやっている子と比べて、本人は不器用なタイプですから」と話す。「足元を固めていかないと前に進めない。勢いでいける子ではないので、一歩一歩、積み重ねていくしかないですよね」。3月に右足の張りを訴えて出遅れ、同期入団の高橋遥や谷川に初登板も初勝利も後れを取った。それでも父の言葉の通りに鳴尾浜で努力を重ね、聖地で躍動してみせた。

 金本監督も「ちょっとストレートがファームのいいときの走りではなかったから心配はしていたけど、うまいこと変化球を使って。6回1失点ですか。合格点ですね」。今後へ大きな可能性を感じさせた。「チームのために僕は貢献していくだけなので」と馬場。背番号18のエースを目指した歩みが始まった。

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