「中日１－２阪神」（１８日、ナゴヤドーム）

　左翼スタンドから待ってましたと言わんばかりの大歓声が響き渡った。連敗をストップさせた決勝打。阪神・糸原が一塁ベース上で両手を強く叩き、右拳を振るわせた。

　「どんどんファーストストライクから振っていこうと思っていた。うまく体が反応した」

　六回、ロサリオの一打で同点とした直後の２死一、二塁。１ボールからの２球目、左腕・小笠原が投じた肩口からのカーブに反応した。体をコンパクトに回転させながら捉えた打球は右翼前で弾んだ。その間に、二走・福留が一気に本塁へ生還。気迫の一打で勝ち越した。

　対左投手は打率・３２１と好成績を残す若虎。打撃練習は状況を想定しながら行う。走者を意識して、右方向や左方向などに打ち分ける。片岡ヘッド兼打撃コーチは「いろいろ考えながらやっている」とその姿勢を評価。日々の取り組みが結果に結び付いている。

　守備でもルーキーを救った。１点リードの八回１死二塁。京田の放った一、二塁間への鋭い打球を飛び込んで捕球すると、体勢を崩しながらも一塁へ送球してアウトにした。

　「高橋（遥）が頑張って投げていたので、助けられてよかった」。勝負強い打撃と華麗な守備で盛り立てた糸原。連勝街道へ、フル回転でチームの勝利に貢献する。