能見、元気“一敗” 38歳健在、100勝王手ならずも149キロ出た!

 「広島5-2阪神」(29日、マツダスタジアム)

 通算100勝に王手とはならなかったが、ベテラン左腕が健在をアピールした。8日以来久しぶりの登板となった阪神・能見篤史投手(38)が、6回3失点で今季初黒星を喫した。不運な失点もあり、勝利に導けなかったが、最速は149キロをマーク。全盛期に迫る球速は、今後への期待を膨らませてくれた。お預けとなった今季初白星は、そう遠くない。

 悔しさを押し殺すように、淡々と投球を振り返った。8日の中日戦(京セラドーム)以来、中20日で迎えた今季2度目の登板。試合前日に「やっと投げられる」と意気込んだ一戦で、能見が6回を投げ5安打3失点と試合を作った。今季初黒星にも“実り一敗”。ベテラン健在を示した。

 「行けるところまで行こうと思っていました」。初回、先頭の田中に四球を与えながら、無失点で切り抜けると二回以降は波に乗った。三回、菊池との対戦では、この日最速の149キロを計測。スライダー、フォークを決め球にし、チェンジアップで緩急を付けた。四回までは1安打投球。失点は五回だった。

 安部、下水流に連打を浴び、犠打で1死二、三塁を招いた。続く大瀬良を空振り三振に斬ったが、田中への四球後、満塁で菊池を迎えた。1ストライクから2球目、143キロの直球を狙われ、三遊間を破る適時打を浴びた。捕手・梅野は内角に構えたが、外寄りに逆球となった1球。金本監督も悔やんだ。

 「球は走っていたし、あれぐらい投げてくれたら十分かな。菊池の逆球だけだね。内角に投げきれなかったという。外に逆球だったね、思いっきり」

 さらに六回、同点に追い付いたが、裏のマウンドだ。1死からバティスタとの対戦。2-2から5球目、一塁砂かぶり席前の飛球をロサリオが落球(記録はファウル)した。仕切り直して8球目。外寄りの直球を左翼席に運ばれた。結果的にこれが決勝点になった。「それは仕方ない」。能見は悔やむ助っ人の肩を優しく叩き、「もう少し冷静になれば」と自分自身を責めた。

 不運、無援にも泣いた94球。それでも大きく登板間隔があく中、技術と経験で広島相手に試合を作った。「なかなか投げる機会がないので難しいですけどね」。マウンドに上がる欲求が端々ににじむ。今後は再び30日にも抹消され、最短10日後の先発に向かう流れだ。2010年に記録した、自己最速151キロに迫る球威、キレ。残り2勝の100勝到達も、そう遠くないはずだ。

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