金本監督 キヌさんの鉄人魂、継承する
阪神・金本知憲監督(50)が24日、23日に死去した衣笠祥雄氏に対し、生前に受けたエールなどへの感謝の思いを口にした。指揮官にとって衣笠氏は広島の選手としてはもちろん、「鉄人」という呼称の“先輩”。連続フルイニング出場の世界記録達成において最も影響を受けた存在でもあった。
記録を目指したわけではない。背中を追っていた。鉄人の姿に影響を受け、自身のプロ野球選手としての礎になった結果として、連続フルイニング出場の世界記録に到達できた。交わした言葉を思い起こせば、今でも優しい笑顔が浮かんでくる。金本監督が、衣笠氏への感謝の思いを発した。
「キヌさんの、カープの先輩の記録を…記録を目指したわけではないけど、休まないということに関しては、一番影響を受けた人ですからね」
同じく鉄人と呼ばれることを「僕はおこがましいって(過去に)コメントもしてるしね」と言う。偉大な先輩への感謝は尽きない。プロ入り前からも“縁”はあった。「うちのおかんがファンだったから。おれが野球を見るきっかけが、おかんがカープとキヌさんが好きで」。衣笠氏の連続試合出場の世界記録のセレモニーも、実際に見に行っていた。
「(セレモニーを見て)すごいなって。市民球場が暗くなってね。出ることへの責任感というか、中心選手は常にグラウンドに立っていないといけないという。無言で、そういうのを示した人だからね。なおかつ成績を残すという」
一人の選手として、常に試合に出続けることがいかに重要か。時代は変わっても、プロ野球選手の基礎となるものは不変。1月に亡くなった元阪神監督の星野仙一氏にも触れ、衣笠氏から学び、感じ取ったものは阪神の監督として継承する。
「それぞれの方の思いとか、やってきたことを引き続き継承するというか、そこまで言ったらオーバーかもしれないですけど、そういう先輩方の思いを大事にしてやっていきたいと思います」
胸に宿る鉄人魂。受け継いだものを忘れることなく、後進に伝えていく。それが衣笠氏への恩返しとなる。