「代打の切り札」ヒゲの隼太 今季も勝負強い! 広島に逆転勝ちで甲子園開幕星

 「阪神4-3広島」(10日、甲子園球場)

 今シーズンの甲子園開幕は白星発進や!阪神は2点を追う六回、適時失策で追いつくと、なおも1死一、三塁で代打・伊藤隼太外野手(28)が投手強襲の勝ち越し適時内野安打を放った。リーグ3連覇を狙う王者・広島との今季初戦を制し、再び貯金1。聖地に響いた六甲おろしが気持ちいい!

 待ち望んでいた。本拠地での“開幕戦”は、平日にもかかわらず満員御礼。そして迎え撃つのは、昨季王者の広島だ。よみがえる悔しい記憶、拭い去りたいあの光景。伊藤隼がその一打に懸けた。

 みんなでつないでくれた好機。マウンド上の投手をジッと鋭い眼光で見つめると、その熱き思いが爆発した。一塁まで全力疾走。打球の行方がわからないくらい無我夢中だったが、勝ち越しを自らの目で確かめると、大きなガッツポーズで喜びをあらわにした。

 虎党に歓喜の瞬間を届けたのは、六回だ。息つく間もない展開に、4万6209人の大観衆はしびれた。2点を追いかける中、1死から3連続四球で作った満塁で途中出場の俊介が放った打球は遊撃への高いバウンドとなり、相手のミスを誘発。走者2人が生還し、同点に追いついた。

 執念でつないだ仲間からのバトンだった。なおも続く1死一、三塁の好機。最高の見せ場で、代打・伊藤隼が打席へと向かった。そしてカウント1-1から3球目。外寄りのフォークをフルスイングではじき返すと、ライナー性の打球は投手強襲の勝ち越し内野安打となった。

 昨季は代打の切り札として73試合に出場。打率・261と結果を残した。それでも悔いる気持ちで今オフを過ごしてきたという。「自分が最後のバッターで、広島の優勝を決めてしまったので」。2017年9月18日。場所はこの日と同じ甲子園だった。1点を追いかける展開の九回2死走者なしで出番がきた。しかし遊飛に倒れると、広島の胴上げが始まった。

 今季は安芸からのスタートだった。呼ばれたときに最高のパフォーマンスを-。この言葉を合言葉に、必死でバットを振り込んできた。そして自身5打席目に訪れた今季初安打は、値千金の一打になった。「広島相手に先行されていた展開で、追いついて勝ち越して逃げ切ったということに意味があると思う」。まず初戦で白星。伊藤隼がその一打に、また思いを込める。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス