さらば掛布2軍監督 聖地でラスト采配 熱血虎党7000人超が「カケフコール」

声援に手を振りながら、グラウンドを後にする掛布2軍監督(撮影・北村雅宏) 
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 「ウエスタン、阪神16-4広島」(28日、甲子園球場)

 今季限りでの退任が決まっている阪神・掛布雅之2軍監督(62)のラスト采配は大勝だった。今季最多の16得点で広島を圧倒。甲子園に詰めかけた7千人超のファンに白星を届け、試合終了後のセレモニーでは「カケフコール」がスタンドから湧き起こった。「孤独に打ち勝て!」と“掛布スピリット”を説き続けた2年間の監督生活を有終の勝利で飾り、背番号「31」のユニホームを脱いだ。

 背番号「31」がスピーチを終えると、スタンドから「カケフコール」が巻き起こった。「現役時代を思い出しましたね。背筋がゾクゾクっとするような」。やはり、ミスタータイガースには甲子園がよく似合う。

 選手たちには、セレモニー終了後に指揮官を胴上げする準備ができていたようだ。だが、「僕自身の気持ちで、胴上げされる身ではない」と断りを入れた。選手たちに申し訳ないという思いを持ちつつ、「胴上げというのは、セ・パ両リーグの監督が優勝した時、選手が引退する時」と自らの美学を貫いた。

 ただ、最終戦を今季最多の16得点で完勝するという“プレゼント”はもらった。「普段から打てよ」と豪快に笑った掛布2軍監督。好投した藤浪へは「何か手応えになるものを藤浪も感じていると思う」と今後の活躍に期待を寄せた。

 たった2年間の監督生活だった。選手たちの育成に、確かな手応えを感じていたタイミングでの退任決定。志半ばで終わってしまう無念さについて、「それはあるな。もう少しで出来上がってくるなというところだから」と率直な思いを吐露したこともあった。

 だが、自身が持つ「一人に強くなれ」という“スピリット”を植え付けることはできた。「今の子たちは、たむろするんですよね、群れをなすんですよ」と指揮官。打席の中、マウンド上では誰も助けてはくれない。孤独に打ち勝つ必要性を説き続けた2年間だった。

 今後については、球団からオーナー付アドバイザーというポストを打診されている。「前向き」に考えていくとし、熟慮の上で決断を下す。どんな形であろうと「野球とは離れられない」と言ったミスタータイガース。多くのものを残して、縦じまを脱いだ。

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