金本監督「僕の判断ミス」継投失敗ザンゲ…球児が逆転被弾
「阪神1-3巨人」(8日、甲子園球場)
負の連鎖が止まらない。阪神は1点リードの八回1死一、二塁で登板した2番手・藤川球児投手(36)が、代打・坂本に痛恨の逆転被弾。甲子園での今季巨人戦は、1分けを挟んで球団ワーストを更新する9連敗。継投策が失敗に終わった金本知憲監督(48)は「僕の判断ミス」と自らを強く戒めた。
見えかけた光が一気に暗転する。悲鳴が巻き起こった。願いは届かない。悪夢の弾道は左翼・高山の頭上を越え、左翼席に着弾した。「(状況的に)一番のポイントでしょう。今日の」。流れを左右した局面。金本監督の勝負手は実らなかった。逆転負けで、またも白星に届かなかった。
「明らかに2つデッドボールを与えて、明らかに動揺しとったし。球威もちょうど落ち始めた。まあ、もう少し点差があれば続投もあったかもしれない。そこはもう、僕の判断ミスですから」
あと5つのアウトが遠かった。八回だ。好投の青柳が1死からの連続死球で一、二塁に。ここで巨人は代打・坂本。青柳にとって、対戦成績6打数1安打で打率・167と抑えていた相手だが、数字だけでは測れないものもある。制球の乱れや心理面などを考えて継投へ。藤川を投入したが…。痛恨の逆転3ランに沈んだ。
「(藤川の経験も考えてかと問われ)もちろんそれもあるし。僕らはそう(最善の策と)判断して」と指揮官。勝負どころで出てきた首位打者に、信頼を寄せるセットアッパーをぶつけた。右腕のことは責めない。結果的に「ミス」と出た判断。あまりにつらい敗戦だが、打たれた投手陣だけでなく、打線も内海を攻略できなかった。
内海に対し、奪った得点は福留の適時打による1点だけ。「(内海に)3敗目。また同じピッチャー。うちの試合になったらいいピッチングするね。球のキレもまずまず良かったように見えたし」。内海には3戦3敗。相手左腕を称えながらも、同じように屈する展開がもどかしい。
これで甲子園では、98年の36敗以来、18年ぶりとなるシーズン33敗目。さらに甲子園での巨人戦では、1分けを挟んで球団ワーストとなる9連敗で今季いまだ勝ち星なし。「(上位のチームと同じ投手にやられる流れは)まあ、同じ」。何とか変えたい流れ。ようやくの白星に手が届くかという流れだっただけに、余計に重い1敗となった。