高山セットアッパー撃ち!3安打3打点
「交流戦、日本ハム5-4阪神」(10日、札幌ドーム)
敵地に虎党の大歓声が響きわたる。2-3で迎えた八回1死二、三塁。打席にはここまで2安打の阪神・高山だ。日本ハム・マーティンが投じる150キロ超の真っすぐに食らいつく。6球目、内角のカットボールに対しうまく腕をたたみ、捉えた。
「追い込まれていたので『なんとかして』という気持ちだった」
左翼線を破る逆転の2点適時二塁打。終盤の劇的な一打に、札幌ドームのボルテージは最高潮まで達する。片岡打撃コーチも「最近バテ気味に見えたけど、(逆転打は)内の変化球をしっかりと前でさばけていた」と成長を感じる一打だった。
価値あるセットアッパー撃ち。高山は「前の打席どうこうよりも、あの打席でしっかり結果が出たことだけです」と手応えを感じていた。その手の感触を、絶対に忘れてはならない。
二回1死一塁の場面では左中間へ先制の適時三塁打を放ち、四回2死は変化球を中前にはじき返した。5月21日・広島戦以来、チーム最多今季5度目の猛打賞を記録。課題の内角打ちを完全に克服できれば、さらにアベレージは上昇していく。
7日からの地元・千葉でのロッテ3連戦は、11打数2安打と低空飛行。この日の試合前練習のティー打撃では内角球を想定し、インパクト時のポイントを前にして振り込んでいた。目の前の壁を乗り越えるため、連戦の中必死にもがいている。
全てはチームの勝利のため。連敗に苦しむ新生タイガースにも浮上のきっかけはある。ルーキーの一打を、今後の戦いにつなげていく。