メッセ1カ月ぶり笑顔星!今季初10K

 「交流戦、阪神5-1西武」(4日、甲子園球場)

 1カ月ぶりにつかみ取った白星。口元は緩み、声が弾む。阪神のランディ・メッセンジャー投手が5月5日・中日戦以来の5勝目。自身3連敗を止めた右腕が、笑顔を取り戻した。

 「自分が勝つということは、チームが勝つということなので、自分に勝ちがつくことはうれしいね」

 最大の危機は七回だった。2死一、三塁。秋山のゴロを鳥谷がはじいて、不運な中前適時打を許した。

 完封勝利が消滅。しばらく両手を膝について動けないほど悔しがった。なおも2死一、二塁。一発を打たれれば同点の場面で、代打・中村を迎えた。

 「いい打者が出てきて火がついた。いい打者に向かっていくのが僕のスタイル。一番ダメなことは、ズルズルいってビッグイニングを作られることだったので、不運なことはあっても自分の仕事をするだけだと集中した」

 気持ちを切り替え、再び闘争心にスイッチを入れた。直球を2球続けて追い込むと、4球目のカーブで空振り三振。悠然とマウンドを降りた。

 西武の強力打線を相手に、7回6安打1失点。3日に2本塁打を許したメヒアも、2打数無安打に抑え込んだ。二回無死一、二塁からは4者連続三振を奪うなど、今季初の2桁三振もマーク。71三振で奪三振数はリーグ3位に浮上した。

 「マウンドでしっくりいっていないことが何週間かあった。今日は全ての球種を思っているところに投げられた」と満足そうに振り返れば、金本監督も「フォークの落ちがよかった」とたたえる好投だった。

 今季の交流戦初登板は白星スタート。昨季も“交流戦男”だった。15年は3試合で2勝0敗。24回を投げて無失点だった。「自分でも理由は分からないよ」とおどけたが、いいイメージがあることは間違いない。

 今季の交流戦は日本ハム戦、ソフトバンク戦で先発する見込み。勢いを取り戻した大黒柱が、腕の見せどころを迎えた。

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