鳥谷が変わった!野手MVPで“即答”

 「阪神春季キャンプ」(29日、宜野座)

 阪神・鳥谷敬内野手(34)が、金本知憲監督(47)から今キャンプの“野手MVP”に選出された。指揮官は積極的にチームを引っ張った姿勢の変化を評価。主将として『超変革』を遂げた鳥谷も充実のキャンプを振り返り、優勝と日本一への決意をあらためて口にした。

 この男の覚悟が見えたからこそ、宜野座に流れるムードも今までと変わった。最大の収穫を問われた金本監督は「野手はトリが変わってくれたこと」と即答した。『超変革』の旗印のもとで行われた明るく厳しい1カ月のキャンプ。そのど真ん中にいたのは、紛れもなく鳥谷だった。

 クールなイメージを覆し、シートノックでは声を張り上げた。若手がミスをすればイジり、場を盛り上げた。特守に飛び入り参加し、ユニホームを泥だらけにもした。そして何より、グラウンドでの笑顔が増えた。

 昨年10月、就任直後の金本監督から「お前が変わらないとチームは変わらない」と苦言を呈された。成績、姿勢、そして言葉でもチームを引っ張る-突きつけられた命題に、2月の南国でしっかりと答えを示した。指揮官は「野手MVP?そうだね。自覚を持って、チームの雰囲気は自分が作るんだという意志がはっきり見えた」と評価。「最初にトリに話した時のことを、僕の気持ちをくんでやってくれた」と喜んだ。

 鳥谷自身ももちろん、充実感たっぷりだ。「できることをしっかりやっていこうという気持ちでした。チームとしても個人としてもいいキャンプができた。元気を出して明るくできてよかった」と自賛した。キャンプ最後のメニューとなったこの日のリレーでは、快足を飛ばしてゴボウ抜きする場面も。「リレーで終われることはなかなかない。シーズンにいい形でつながれば」と、高まる一体感を前向きにとらえた。

 28日の紅白戦では初本塁打も放ち、金本監督の指導で取り組む新打法も順調だ。「優勝、日本一と毎年思っている。1年間ケガなくフィールドに立ち続ける中で、優勝に貢献できるようにしたい」。スタートは上々。11年ぶりの美酒が待つゴールまで、主将の『超変革』の歩みは止まらない。

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