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【緊急連載1】“いい人”じゃ勝てない

 9回、マートン(手前)が左飛に倒れて試合終了。ベンチで厳しい表情を見せる和田監督(左から3人目)=撮影・出月俊成
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 「熱くなれなかった和田野球(1)」

 球団創設80周年。10年ぶりの覇権奪回を目指してスタートした和田阪神だったが、4年目も悲願を達成することはできなかった。首位で迎えた勝負の9月に7勝13敗1分けと大失速。その要因はどこにあるのか。デイリースポーツ特別取材班が5回連載で鋭くえぐる。第1回は和田豊監督(53)に迫った。

 和田監督は2011年オフの就任時に4位に終わったチームを引き継ぎ「スパイスを加えれば優勝できる」と豪語。ファンはその手腕に期待したが、4年間で一度もその高みを極めることはなかった。

 就任と同時に「熱くなれ!!」のスローガンを掲げ、今季からは「as one」を加えた。一丸になっての意味。優勝するチームには自然と一体感が生まれる。これを目指したが、わざわざ文字にしなければならないところに、皮肉にも和田阪神の弱さが表れた。

 そのシーンは来るシーズンを不安にさせるものだった。2月25日、キャンプ打ち上げの1時間前に西岡の三塁コンバートは敢行された。それまでの約1カ月の練習は何だったのか?疑問の声はあちこちから聞かれた。

 1月9日にメジャー移籍を目指していた鳥谷が一転、残留を表明した。関係者によるとこの一報を受けて和田監督は自ら動いたという。西岡をホテルの一室に呼んで三塁コンバートを伝えた。ところが、まさかの拒否。二塁で上本と競争したいと主張。あろうことか、これを聞き入れてしまった。指揮官が一選手をコントロールできないという衝撃の事実。この情報は瞬く間にチームに流れた。結局、キャンプ中にも数度、説得を試みるが失敗。打ち上げというギリギリのタイミングでようやく新布陣が決まる異常事態となった。

 ある主力選手は指揮官について「とてもいい人ですよ。でも勝てる監督じゃない」と言った。チームを率いる者は、勝つために時に心を鬼にして決断しなければならない。その厳しさを欠いた。チームを一つにできない要因となった。

 もう一つ、一丸になれない大きな要素があった。それはコミュニケーション不足。こんなシーンが見られた。ある主力選手と指揮官が練習中にグラウンドで話していた。その後、話の内容を選手に問いかけると「3年ぶりに監督と話しました」と苦笑いを浮かべた。

 特に主力選手に対して、何かを伝えるであるとか、“こうしてくれ”と訴えることは、過去の監督に比べて極端に少なかった。よく言えば、選手を信頼し、大人扱いをしているとなるが、選手にとっては、指揮官の目指す野球が見えないというジレンマとなった。それは不満となって少しずつ膨らんでいった。

 強いリーダーシップを発揮できない中、追い打ちを掛けたのが、投打の軸を託した外国人選手たちの暴走だった。【特別取材班】

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