ゴメスが希望の光…来日初3戦連発
「阪神2-5ヤクルト」(21日、甲子園球場)
青空へ舞い上がった白球に、誰もが望みをつないだ。阪神・ゴメスが来日初の3試合連発となる同点の17号ソロ。空砲にはなったが、完全復活を予感させる力強い弾道だった。
1点を勝ち越された直後の四回無死。初球だった。杉浦の外角直球に踏み込んだ。手に残った感触は完璧。打球は長い滞空時間を経て、中堅フェンスを越えた。
「しっかりと捉えられたよ!いい感触だったね!(3試合連発は)結果的にそうなっているけれども、自分にとっては、あまり特別ではないね。今は1打席1打席、ベストスイングをしていくことしか考えていないよ」。試合中に広報を通してのコメントでも、冗舌になるほど自信はよみがえってきた。
3日の広島戦で、来日から守り続けてきた4番を外された。その後も結果が出ず、ボール球に手を出して三振を重ねていた。だが、19日のDeNA戦で27試合ぶりの一発が生まれると、打席で余裕が見えるようになった。
二回1死は3球で追い込まれた後、2球連続で低めのフォークを見送った。これまでなら強引にスイングしていた球に、バットが止まった。続く6球目。内角低めの直球を仕留めて、ライナーで左翼を越える二塁打。「ボールがよくみえているし、タイミングは合ってきている」と手応えも口にした。
22日からは巨人2連戦。今の勢いをつなぎたい。東京ドームでの試合は3連敗を喫した8月18~20日の3連戦以来だ。その間、ゴメスも11打数1安打5三振と屈辱を味わった。
「頑張って勝ちたい。それだけだよ」。自力優勝の可能性は消滅しても、まだ優勝の可能性は残っている。迷惑を掛けた分、結果で取り返したい思いもある。上り調子の大砲が、伝統の一戦で意地を見せる。