藤浪完封ヤ斬り11勝!聖地ただいま星

 「阪神9-0ヤクルト」(28日、甲子園)

 若きエースが久しぶりの甲子園で躍動した。2位・ヤクルトとの首位攻防戦初戦を任された阪神の藤浪晋太郎投手(21)が、散発3安打、8奪三振で完封勝利。リーグトップタイの11勝をマークし、ヤクルトとのゲーム差も3に広げた。長期ロードを終え、帰ってきた聖地。待ちわびていた虎党も気持ちよすぎる勝利に酔いしれた。

 力勝負を楽しむ余裕があった。今季3度目完封まで、あと1人。「あと1球コール」がこだまする中、藤浪は山田に、真っ向勝負を挑んだ。「余裕もありましたし、力試しできる状況だったので。相手が真っすぐを待っている中で、三振が取れるかどうか」。三冠王、トリプルスリーのダブル獲りを狙う打者に150キロ超を連発した。1ボール2ストライクから4球目。154キロで決めようとしたが、バットに当てられ、遊ゴロとなった。

 ジェット風船が舞う中、藤浪はマウンドで苦笑いしていた。「結果として三振は取れなかったけど、今後はああいう場面で取れるようにしたい」。これぞプロの醍醐味。最後までファンを魅了した。

 「ブルペンから感覚が良かった。バランスが良くて、しっかり上からたたけていた」

 初回から理想と現実の投球フォームが一致した。三者凡退スタートを切るとあとは感覚を失わないよう腕を振るだけ。強力ツバメ打線を3安打に退けた。

 “夏男”の称号を取り戻した。夏の甲子園優勝投手が、昨年の8月は1勝3敗、防御率4・35と失速。だが今年は3勝1敗、1・74と勝敗を逆転させた。ここまでは2月に思い描いた通りだ。「キャンプのころから、これぐらいの時期に調子のピークが来るように調整してきました。球数を投げたら、ピークも早くなると思うので」。長丁場のペナントレース。過去の経験から、勝負どころは8、9月と心得た。春先に完投ペースをつかみ、夏場に向けて、徐々にギアを上げてきた。

 「久々の甲子園だったので、内容はともかく、絶対勝ってやろうと思っていました」。巨人戦の悔しい敗戦から中7日。141球を投じた疲労は回復し、気力も充実していた。

 長期ロード明け初戦の甲子園。自己最多タイ、ハーラートップタイ11勝目で、チームの連敗を止めた。「負けたらズルズルいきそうな感じだったので、チーム全体として勝てて良かった」。次回は9月3日広島戦(甲子園)に先発予定。マツダスタジアムの屈辱を申し子が聖地で晴らす。

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