鳥谷先頭弾!桧山に並んだ707打点

 「ヤクルト1-6阪神」(16日、神宮)

 前夜の大敗の空気は持ち込まない。この日の一振り目で鮮やかな放物線を描き、敵地のスタンドに黄色い花を咲かせた。「チームを勢い付けるという意味で、いい一発だと思います」。阪神・鳥谷が強烈な先制パンチを見舞って、流れを呼び込んだ。

 初回だ。冷静に2球見極め、1-1からの3球目。石山の投じた直球を迷うことなく振り抜くと、気持ちを乗せた白球は右翼ポールに当たり、客席に消えた。「先に点を取れたことは良かったです」。納得の5号ソロ弾となった。

 これが10年10月3日の広島戦以来、自身5年ぶりの初回先頭打者弾となり、桧山進次郎氏に並ぶ球団8位タイの通算707打点目に。8点差で敗れた前夜を踏まえて、和田監督は「ヨーイドンで鳥谷が一人で点を取ってくれて、流れの上で大きかった」とたたえた。チームにとっても大きな節目のアーチだった。

 六回には1死から四球で出塁して福留の3ランにつなげた。七回2死二塁でも中前打を放ち、2試合ぶりのマルチ安打に。守備では三回の失策が失点につながったが、気持ちは18日からの巨人3連戦に向いている。

 「何とか初戦を取れるように頑張りたい」と鳥谷。1番を打つキャプテンが、勝負の伝統の一戦でもチームをけん引する。

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