藤浪5月反攻へ“劇的リフォーム”
阪神・藤浪晋太郎投手(21)が27日、1勝2敗に終わった4月を振り返り、5月からの巻き返しを宣言した。今季の投球について中西清起投手コーチ(53)は「ボールの強さはあるが球質が良くない」と指摘。次回登板が濃厚な5月2日の巨人戦(東京ドーム)へ向け、横振りになっているフォームの修正を図っていくことを明かした。
苦しむチーム状況を象徴するように、藤浪が不完全燃焼のまま、4月を終えた。ここまで5試合に先発し1勝2敗、防御率3・66。シーズン初登板で今季初勝利を挙げて以降、4試合白星から遠ざかっている。
「イニングはしっかり投げられたと思う。もう少し、調子を上げてビシッと抑える試合を増やしていきたい」
決して大崩れしたわけではない。5試合中3試合は7回以上を投げ、ゲームをつくった。ただ、気がかりなのは被安打数の増加だ。150キロ超の直球、カットボールを次々と安打されてしまう。ここまで32イニングを投げ、被安打38。イニング以上の安打を打たれている計算だ。
1年目は137回2/3を投げ、被安打119、2年目は163回を投げ、被安打148。昨季までイニング数以下に抑えていた被安打数が、なぜ今季は増加しているのか。中西投手コーチは「ボールの強さはあるが、球質が良くない。バットの面にボールが入っているから、空振りも取れてない」と指摘する。
直球に本来のキレを欠くため、カットボールなど変化球も対応されているようだ。「(左足の)つま先がホームに向いていない。右膝が折れるから、シュート回転してしまう。下(半身)を使って投げないと」。横振りになっているフォームを、次戦までに微調整していく方針だ。
フォームが修正されれば勝ち星は付いてくるはずだ。実際、被安打数の増加に藤浪は「ストライクをどんどん取りにいっているので。シングルヒットなら、いいというイメージで投げています」と深刻には考えていない。
その一方で課題の制球力は改善されつつある。開幕直後に「際どいコースを狙って球数が増えるなら、ストライクゾーンで勝負した方がいい。バッターに打たれても3割なので。確率の問題にたどりついた」と明かしたように、今季は5試合32イニングで四球は10個。163イニングで64四球の昨季と比べると向上している。
四球減少とともに被安打減少へ。本来の“球質”さえ取り戻せば、少ない球数で長いイニングを投げるという理想の投球に近づくはずだ。