鳥谷“掛布打法”習得!イケるで20発

 「阪神春季キャンプ」(3日、宜野座)

 阪神・掛布雅之DC(59)が3日、鳥谷敬内野手(33)に“掛布打法”を伝授した。その成果かフリー打撃で117スイングし、11本の柵越えを披露した。これまで以上に強く打つことを意識することで、鳥谷にとって2009年以来となるシーズン20本塁打以上が可能と期待した。

 ケージに足を掛けてフリー打撃を見つめる掛布DCの目が鋭さを増した。鳥谷の打撃を見ているときだった。次の瞬間には身ぶり手ぶりで指導していた。すると、どうだろうか。それまで軽く打っていた鳥谷の打球が軽々とフェンスを越えていった。

 掛布DCがその変身の内容を説明する。

 「少しボールをこするような打ち方になってたんで、ヘッドを走らせるというかね。強い打球を意識してみてはどうかと話したんです。ポイントを少し前にしてね」

 バットでボールを捉える瞬間に、これまで以上に強くたたくイメージを持つことで、スライスする打球がなくなり、打球に勢いが付くという。

 指導の狙いはズバリ本塁打増だ。

 「あれだけ強い体を持っているんでね。金本と同じ体の強さを持っている。2桁、いや20本塁打を打てる力はあると思うんですよ」

 昨季は自己最高の打率・313を記録したが、本塁打は8本にとどまった。20本塁打以上は2009年に一度記録しただけ。それでも「腰を落ち着けて阪神でやると決めたわけですから集大成を見せないといけない年でしょう」と期待する。

 チームを見渡しても昨季、日本人野手の2桁本塁打はゼロ。本塁打増は打線の迫力を増す最大の方法といえる。

 「鳥谷が1番を打つにしても3番でもゴメス、マートンと3人で60発以上打てる。魅力ありますよね。怖さが違ってくるでしょう」

 強打することで心配されるのは打率の低下だが、これに対しても「それは心配ない。あれだけ四球を選べる。僕もそうでしたけど、打てる球を我慢して待って一発で仕留めることができる。王さんも言ってました。本塁打を打つには一発で仕留める技術が必要だと」と3度の本塁打王に輝いたレジェンドは熱く語った。

 鳥谷本人は「頑張ります」と話しただけ。それでも、強くなった打球は雄弁に語っていた。一発の魅力を備えたニュー鳥谷が猛虎打線を強くする。

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