呉昇桓 頼れる守護神サヨナラ呼んだ!

 「阪神1‐0DeNA」(29日、甲子園)

 阪神の呉昇桓はマウンドに上がると、藤井に語りかけた。言葉やジェスチャーではない。きょうは、これでいこう‐。投球練習でそんなメッセージを送った。

 「あれ?と思ったけど(練習で)放ってきたから。それが合図というかね。こっちとしても、じゃ、きょうはそうしようと思って。これでいこうとか何も話してないですよ」

 1000試合出場の女房役がそう明かしたように、これまで61試合登板で決め球として多投してこなかった「スプリット」を効果的に織り交ぜた。

 これが左打者にハマった。九回2死では筒香に対して、追い込んでから外に逃げるスプリットで空振りを奪った。延長十回1死からは梶谷を同じような軌道で空を切らせ、今季2度目の2イニング、上位打線からの6人を完璧に料理した。

 「もともと、ゲームのときに投げていたので、違和感なく投げることができましたよ。藤井さんもサインを出してくれて、バッターのタイミングを外すことができたし、良かったと思います」

 続けて「きょうはほかの投手が頑張ったので勝てたと思います」。試合後は真っ先に岩田の力投ををたたえた。登板時のスコアはセーブのつかない0‐0。九回サヨナラを信じてイニングまたぎは予定していなかったが、延長戦に突入した時点で準備を整えた。

 「よく2回を0で抑えてくれた」。和田監督は短い言葉に最大限のねぎらいを込めた。残り2試合、先発投手を含めたスクランブル登板が予想されるが、呉昇桓は顔色ひとつ変えずに言った。

 「皆、勝つためにやっているので、僕も残り試合、勝つためにやるだけですよ」

 ラストスパートでのぞかせた「勝負球」。スプリットに手応えを感じたことが、この夜の収穫になった。

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