建山 任せろ! 逆転Vへ中継ぎ陣救う

 阪神への入団が決まった建山義紀投手(38)=前ヤンキース傘下3Aスクラントン=が25日、西宮市の球団事務所で正式契約を結び、入団会見を行った。今季終了までの契約で、年俸1500万円プラス出来高(金額は推定)。背番号は53。右打者封じのスペシャリストは、背水の覚悟で阪神の逆転優勝に貢献する意気込みを示した。

 野球を続けるチャンスを与えてくれた感謝は忘れない。建山は入団会見でほとんど表情を崩さず、4年ぶりの日本球界復帰を決めた覚悟を明かした。

 「2011年から米国でプレーして、米国でユニホームを脱ぐと思ってやっていた。5月にリリースされて引退かと思ったけど、阪神が手をさしのべてくれて感謝している。(オファーを受けた)その時に日本でプレーしようと決めた」

 5月にヤンキース傘下3Aスクラントンを解雇された後に唯一、オファーを出してくれた阪神に結果で恩返しすることを約束。プロ16年目の38歳は、背水の覚悟で限られた野球人生に臨む。

 早速、活躍の場が与えられることになりそうだ。チームは交流戦で貯金が0となり、首位・巨人と5・5ゲーム差の3位。27日の中日戦(甲子園)から再開するリーグ戦に向けて、呉昇桓につなぐ中継ぎ強化が課題だ。

 さらにセ・リーグは各チームの中軸に右打者が多い。和田監督はチーム唯一となるサイドスローに“右キラー”としての期待をかけた。「特に外国人。そういう打者を抑えてほしい」。広島・エルドレッド、ヤクルト・バレンティンらに惜しみなくぶつける方針だ。

 建山は指揮官の意向を意気に感じた。「右のスペシャリストだと思っている。そういうところで自分の力を示したい。昔ほど球威はないけど、打者の懐を突く攻撃的な投球を見てもらいたい」。冷静な表情で力を込めた。

 26日から鳴尾浜で練習を開始する。「2、3回ブルペンで投げて試合かな、と思っている」。2軍で結果を残し、早期の1軍昇格へ準備を進めていく。

 日本ハム、メジャーで修羅場をくぐり抜け、日米通算491試合登板の実績を持つ右腕。救世主として甲子園のマウンドを目指す。

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