掛布DC新井に猛ゲキ「4番打つべき」

 負けるなお兄ちゃん!阪神・掛布雅之DC(58)が1日、新加入のマウロ・ゴメス内野手(29)とポジションを争う新井貴浩内野手(36)にゲキを飛ばした。個人的な意見として新井を4番に推し、「ゴメスに負けるな!」と自身の哲学を注入。来年2月の1軍沖縄キャンプに1クールだけ帯同することも決まり、和田監督と相談しながら主砲再生にも力を注ぐ。

 自然と言葉に熱が帯びていった。虎の4番を打った者だからこそ分かる心境、そしてプライド‐。来季は新加入のゴメスとポジションを争う新井に対し、掛布DCは「僕は今でも彼が4番を打つのがバランス的にも良いと思っている」と断言する。

 「ゴメスが来るから危機感を持っているだろうけど、それなりの意地も本人にあるだろう。肩の状態も良いと聞いているし、ゴメスなんかに負けてられない、冗談じゃない。何で同じ一塁を守る選手を(フロントが)獲ったんだって。そういう気持ちがないとおかしい」

 同じポジション、同じ長距離砲の助っ人が加入する事実。それはベテランの新井にとって厳しい現実を突きつけられたと言っても過言ではない。虎の4番を張り、かつては打点王のタイトルも獲得した。掛布DCも同じ立場を経験したからこそ「もし僕がサードにいたら、何で三塁の選手を獲るんだと思う」と言い切る。

 それが強打者と呼ばれた選手の意地、誇り‐。逆にその気持ちがなくなれば、現役を退かなければならない。「本人も理由があることは分かっているだろうし、そういう意味で来年の彼の野球は楽しみだよね」。今春キャンプで打撃指導を行った経緯もあるだけに、背番号25のハートに大きな期待を寄せる。

 「今年だって出遅れながらあれだけの成績を残したんだから」と掛布DCが言うように、右肩の故障を抱えつつも打率・267、15本塁打をマーク。終盤に失速したが、夏場まで獅子奮迅の働きを見せた。現在は右肩の故障も癒え、甲子園でトレーニングを積んでいる新井。来季、完全復活を果たす条件はそろいつつある。

 掛布DCも来年2月の沖縄キャンプに1クールだけ帯同する。「和田監督がどう考えているか聞いた上で、意向に沿って手助けできれば」と可能な範囲でサポートする予定。虎の4番を張った者として‐。新井の背中を押せるのはミスタータイガースしかいない。

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