優勝ほぼ不可能、CSへ向けて喝入れろ

 どうしようもならん。「この巨人3連戦だけに集中してやってほしい!!」として先月27日からの巨人3連戦はシーズンの山場やと見ていたが、結果はご存じの通り。2勝1敗でもまだ先に望みがつながったのに、やってはいかん3連戦3連敗を食らってしもうた。

 そこまで4連勝と、阪神としては理想的な形で東京ドームに乗り込みながら、完膚無きまでに叩きつぶされた原因は、一にも二にも「ボール球をいとも簡単に振ってしまう打線」にある。何度も口を酸っぱくして指摘してきたことやけど、ペナントの最も大事な局面でそれを露呈した。

 8月27日初戦の初回。今季初対戦の内海が3四球と制球を乱し、先制機をもらったのに、5番・新井が外角の完全なボールに手を出して潰した。その裏、逆に巨人の4番・村田がスタンのボール球に一度は手を出し空振りしながら、直後のストライクをきっちり2ラン。同じタイプの打者でも決定的な差があり、それが両軍の差になった。

 元々、阪神打線は巨人と比較するにはおこがましいぐらい脆弱。大和や福留が入ってもまだ足りないくらいやが、それが離脱してしもうとるんやから話にならん。コンなんとか(コンラッド)てな助っ人もいたが、あれなんか誰が獲ってきたんや!!本塁打はおろか、打点ゼロの助っ人なんか、今まで聞いたことないわ。

 それはともかく、ワシが最高に腹が立って仕方ないのは、巨人に3ついかれて甲子園に戻ってきた30日の試合(阪神0-3広島)や。確かにペナントレースは終わりも同然だけど、まだ可能性はある。なのに選手から伝わってきたのは完全にあきらめムードのみやった。特に、3番で起用されたマートンの拙守には怒りを通り越して笑ってしもた。真面目にやってあれだとすれば、もう「ゴーホーム!!」と言うしかない。

 甲子園には、タイガースの帰還を首を長くして待っていた虎党がたくさん詰めかけていた。その日しか観ることのできないファンもいっぱいいたと思う。ワシらの現役時代と違って、タイガースの勝ち試合に期待して観にくるお客さんがどれだけいることか。選手はそれをもう一度よく考えるべきやないか。

 逆転優勝はほぼ不可能に近いが、それでもCSには間違いなく出ることができる。そこに照準を合わせ、もう一度自分たちの野球を丁寧にやっていくことや。漫然と野球をやっていては、ここまでの健闘が無駄になってしまうぞ。和田監督ら首脳陣もそうやが、胸に「C」マークをつけたキャプテン、ベンチを暖める選手会長ら立場ある人間が、全体に「喝!!」を入れてほしい。

 そんな中で、1日の広島戦で先発した秋山はキレのいい球を投げていたね。3年前に出始めた頃と比較するのは酷だが、それでも随分良くはなっている感じがした。これから和田監督に期待するのは、そんな新しい芽の積極的な起用や。

 現状、問題点は山ほどあるが、それは球団の編成部門の仕事。彼らも高い報酬を得ているのだから、本当にちゃんとやってもらわんと困る。最後にこのことを付け加えておきたい。

(デイリースポーツ評論家・小山正明)

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