鳥谷祝砲5号!連続出場ゴジラ松井超え

 「広島0-4阪神」(7日、マツダ)

 阪神の鳥谷敬内野手(32)が7日、広島11回戦(マツダ)で連続試合出場を1251とし、松井秀喜(日米通算は1768試合)を抜いて歴代単独3位になった。鳥谷はこの記念すべき試合で、六回に決勝の5号ソロ本塁打。天敵だった広島の前田健から、チーム今季初得点をたたき出した。

 メモリアル弾という言葉では、片づけられない。それほど価値ある一撃だった。マエケンからもぎ取った勝利。打の主役はキャプテン・鳥谷だ。

 「藤浪が頑張っていたので、何とか先に1点というのがあった」。力投を続ける新人右腕のために‐。思いを込めたひと振りを、両チーム無得点で迎えた六回に見せた。

 立ちはだかるは広島のエース前田健だ。今季、ここまで3度の対戦で全敗。そして、この試合の五回まで28イニング連続無得点だった。だが…。

 初球の甘く入ったスライダーを鋭く振り抜くと、白球は右中間最深部へと消えた。自身5月18日のソフトバンク戦(甲子園)以来、実に133打席ぶりの5号ソロで、ようやくスコアボードに「1」の数字をともした。

 「前回まで(の対戦)は一切関係ない。(スライダーは)狙ってはないです。たまたま」。ヒーローは努めてクールに、そう話す。だが和田監督は「こういう展開で、何本もヒットは続かない。ああいう点の取り方しかないというところで、配球を読んで打ったと思う」と説明した。マエケンと重ねた勝負が、鳥谷の読みを働かせた。まさに狙い通りの一発だった。

 天敵から今季29イニング目で初得点を記録し、1カ月以上勝ち星のない先発・藤浪を援護。そして、自身がしるした大記録にも花を添えた。この試合で1251試合連続出場となり、松井秀喜(巨人)を抜き歴代単独3位に躍り出たのだ。

 以前から「個人的なことは関係ない」と話す鳥谷。だがこの記録には、新たな思いがこもっていた。今年3月のWBC。準決勝の前に米国で行われた練習試合の時だ。

 1戦目のジャイアンツ戦で逆転適時打を放つ活躍を見せながら、続くカブス戦では相手先発が左腕という理由でスタメンから外れた。猛虎では味わうことのない経験に、悔しさがあふれる。「ずっと試合に出ないとな」。鳥谷はベンチでつぶやき、試合に出続けることの大切さを再確認した。

 「(前田健は)前回の投球と同じぐらい、良かったと思う」と鳥谷。その右腕を打ち砕いたのは、勝利への執念。積み重ねた1251の数字以上に、頂点を目指す今後の1試合1試合は、大きな価値を生むだろう。

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