藤浪初見学!能見&岩田に学ぶエース道

 阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(18)=大阪桐蔭=が沖縄合同自主トレ合流2日目となった29日、宜野座村野球場で先輩の能見、岩田両左腕のブルペンを初見学。初めて間近で見る、虎の主戦投手の投球に驚がくした。どん欲にすべてを学び取る姿勢の18歳が、一流投手への道を着実に歩んでいる。

 スーパールーキーが目を輝かせた。初めて見るエース能見のブルペン投球。球のスピード、キレ、コントロール、変化球の精度。ネット越しの真後ろから目にした光景すべてが新鮮だった。

 「能見さんは(状態を)上げてきている中で、ベストではないのにあれだけのすごい球を投げられる。エース級のピッチャーはすごいと思いました」

 初めは立って手を後ろに組んで見ていた藤浪だが、次第にエースの熱投に引き込まれていった。一緒に並んで見ていた小豆畑とともにしゃがんで、食い入るようにエースの球に見入った。

 「能見さんは左なので技術的なことを吸収するのは難しいと思いますが、すべてにおいてプロのレベルの高さを感じました」

 能見に続いて熱視線を送ったのは隣で投げていた大阪桐蔭の先輩・岩田の投球。岩田の武器である「スラーブ」に衝撃を受けた。初めて目にする魔球。藤浪は思わず右手で軌道を描いていた。

 「曲がり方がすごかったです。キレとかが違いました。見たことがない軌道だったので、どうやって投げているのかイメージして見ていました」

 ブルペン見学は担当の畑山スカウトの計らいで実現した。「タイミングが合ったし、時間もあったので『見るか?』と聞いたら『見たいです』と言ったのでね。キャンプでは先輩の投球を見るタイミングもないだろうし。自分で見て感じることが大事ですから」と舞台裏を明かした。

 「藤浪はものすごく楽しそうに話していました」と小豆畑。これまで見せたことがない表情で両左腕の投球を見つめた。藤浪にとって夢のような14分間だった。

 2日目の合同自主トレを藤浪は「昨日の流れでやれたので、少しずつ慣れてきたというのはあります」と振り返った。初日よりも積極的に先輩と言葉を交わし、新しい環境にとけ込むようにつとめた。

 チームは藤浪を2月中は実戦登板させない方向だが、ベンチには入れて見て学ばせる考え。その前にプロの投球を肌で感じられたことが一番の収穫となった。一流投手を見て学んで、藤浪がエース道を歩んでいく。

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