宇良、居反り失敗も腰投げで大逆転星
「大相撲夏場所・10日目」(17日、両国国技館)
関学大から初の関取となった新十両宇良(23)=木瀬=が「腰投げ」で出羽疾風(27)=出羽海=を破り、7連勝で勝ち越しを決めた。代名詞の「居反り」を失敗し窮地に陥ったが、十両では10年1月場所以来、6年ぶりの大技で大逆転勝ち。1敗だった千代の国(九重)、佐藤(貴乃花)がそろって敗れたため、2敗で首位に並んだ。幕内は横綱白鵬と大関稀勢の里がともに初日からの10連勝でトップを守った。
後ろ向きの宇良の腰の上をグルリと一回転し、132キロの出羽疾風が土俵下に落ちた。見たこともない大逆転技に観客は一瞬、あ然。その直後、「うおーっ!」と地鳴りのような歓声が館内にこだました。
立ち合いから攻め込まれ、代名詞の「居反り」を仕掛けた。しかし、型に入ったものの反れず抜けた。「タイミングが早かった。形が十分じゃないまま打ってしまった」と不発に終わった。
一気に劣勢になった宇良は半身になり押し込まれた。さらに背後に回られ絶体絶命の中、出羽疾風の左腕をたぐって振った。相手は宙に舞い、十両では6年ぶりの大技「腰投げ」がさく裂した。
「居反りが決まらず、終始攻められて、ひたすら耐えた。苦し紛れ。勝とうとしたというより気持ちだけ。流れの中です」と業師の本領を発揮した。
相撲を始めた4歳から磨いたのは「押し相撲」。しかし母・信子さんは「変な動きばかりしていた」と証言する。技の存在を知らないため「ちゃんと相撲を取りなさい」と小言も言った。技と知らずに技を繰り出していた幼少期から宇良はアクロバット力士だった。
勝ち越しを決め「どんどん星を伸ばしたい」とさらなる気合。1敗が消え2敗で首位に並んだ。「(優勝争いは)関係ないです」と控えめながら、新十両優勝も視界に入った。





