逸ノ城どっしり連勝「思い切りいく」

 「大相撲秋場所・2日目」(15日、両国国技館)

 新入幕の逸ノ城が千代丸を得意の右四つに組み止めて寄り切りで下し、期待の大器が快調に2連勝スタートを切った。新大関豪栄道は対戦相手の豊ノ島が休場したため、不戦勝で初勝利。新大関の初白星が不戦勝なのは昭和以降で初めてという珍事になった。遠藤の挑戦を退けた白鵬をはじめ3横綱は安泰。大関稀勢の里は碧山に敗れて早くも土がついた。

 とても新入幕の力士とは思えない落ち着きだ。逸ノ城は立ち合いで当たって得意の右四つにつかまえようとしたが、千代丸のいなしに大きく体が泳ぐシーンも。さらに引いて勝負をつけようとして、後退する危ない場面もあった。それでも、どっしりした安定感のある下半身で体勢を立て直すと、右四つに組んだ瞬間に館内から大きな拍手が起こった。

 あとは前に出るだけ。最後は左上手もがっちり取って万全の寄り切り。1分11秒9と時間はかかったものの、息もさほど乱さず勝ち名乗りを受けた。

 連勝スタートにも内容には決して納得していない。「引いて決まると思ったけど、相手が落ちなくて…。反省します」と何度かはたいたことを課題に挙げる。初日に栃乃若を豪快な上手投げで破っても、「流れが悪い。これではいつか負ける」と自分を戒めていた。理想は大きな体を生かして、どんどん前に出る相撲。目指すレベルが高いからこそ、相撲内容にも徹底してこだわる。

 3日目は栃煌山と対戦する。ケガによる休場で番付を下げているが三役常連の実力者だ。稽古でも取ったことがなく、まったくの初顔合わせになるが「勝っても負けても思い切りいきます」とキッパリ。次代の大相撲を背負う怪物が、秋場所に旋風を起こそうとしている。

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