鶴竜1敗死守!全勝の白鵬を一人追走

 白鵬が上手投げで琴欧洲を下す=両国国技館
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 「大相撲初場所・9日目」(20日、両国国技館)

 大関鶴竜が碧山を下手投げで退け、ただ一人1敗を守った。横綱白鵬は豪風を寄り倒し、唯一全勝をキープ。大関稀勢の里は豊響に押し出されて4敗目を喫し、綱とりは完全に白紙に戻った。ホープ遠藤は徳勝龍を寄り切り、大砂嵐も舛ノ山をはたき込んで7勝目を挙げ、ともに勝ち越しに王手をかけた。

 195キロをブン投げた。鶴竜は立ち合いで低く当たり前ミツを狙いにいったが、碧山が激しく突っ張ってくると方針転換。いなしてから逆に突き起こすと、相手の左脇が空いた瞬間に右を深く差して動きを止めた。左の前まわしもつかんで万全の体勢をつくると、最後は右足ではね上げながら豪快な右下手投げ。碧山の巨体がまるでスローモーションのように崩れ落ちていった。

 初日に隠岐の海に不覚を取ったものの、2日目からきれいに8つの白星を並べて勝ち越し。綱とりの稀勢の里が大きく崩れ、かど番の琴奨菊は苦しい土俵が続く中、ただ一人で大関の威厳を保っている。「相手に突っ張らせないようにと思ったし、いいところのまわしが取れた」と納得の表情で振り返った。

 好調の要因は体重アップだ。場所前の計測では154キロと昨年秋場所から4キロ増えた。1年前の初場所は146キロで、実に8キロものパワーアップに成功。技術とセンスで大関に上がったが、馬力負けすることもしばしば。昨夏からプロテインを摂取するなど意識的に増量し、簡単に押されることがなくなった。

 優勝争いについても、「横綱にしっかりついていきたい。これからが大事」と気合を込めた。力強い取り口で逆転での初優勝へ向けて突き進む。

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