旭天鵬、不惑幕内在位へ強い意欲

 「大相撲秋場所」(15日初日、両国国技館)

 大相撲の西前頭6枚目旭天鵬=モンゴル出身、友綱部屋=が13日、39歳の誕生日を迎えた。年6場所制となった1958年以降としては5人目となる39歳の幕内力士。数々の記録更新にも前向きな姿勢を見せており、まだまだ衰えを感じさせない。54年9月の名寄岩以来となる“不惑の幕内力士”を目指し、秋場所でも若々しい相撲を取り続ける意気込みを見せた。

 朝稽古後にサプライズ・パーティーが待っていた。弟弟子の幕内旭日松がバースデーケーキを手に登場すると、旭天鵬は少し照れながらロウソクの火を吹き消した。「この年齢まで元気に相撲を取れているとは思わなかった。今年に入ってからはずっとこだわってきた」と喜びをかみしめた。

 驚異的な39歳だ。疲労が取れにくくなったとこぼすが、体の張り、ツヤは衰えを感じさせない。長持ちの秘けつを聞かれても、「どうしてだろう。分からない。若いころに比べて暴飲暴食は減ったけど、食べたい時に食べて飲みたい時に飲んでるから」と首をかしげた。申し合いの番数は減ったが、稽古場では四股、鉄砲など基本運動をみっちりこなす。初土俵から22年、ケガによる休場がないのもそのたまものだ。

 今場所は通算出場(1700回へあと9)、幕内出場(1300回へあと10)と区切りの数字が迫るが、最も意識するのは通算勝利数。現在、通算勝ち星は850勝。あと10勝で元関脇寺尾(現錣山親方)に並ぶ。「数字にもこだわっていきたい」と常に前向きだ。

 来年はいよいよ40歳の大台を迎える。「去年の夏場所で優勝したことで自分のことを知った人も多い。簡単には辞められないという気持ちが強くなった」。元大関名寄岩が東前頭9枚目だった54年9月以来となる不惑での幕内在位へ強い意欲を見せた。

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